「統一テーマ」をめぐって(2014.11.16)

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統一テーマはいつから「統一テーマ」と呼ばれるようになったのだろうか。今回は過去の京大新聞を主に読み解きながら11月祭のテーマの変遷を追っていく。

11月祭が本格的に行われるようになるのは1959年の同学会再建以降であり、59年ごろの京大新聞の記事では「基本テーマ」なる名称が用いられていた。このころのテーマは公選制ではなく、同学会が自らの問題意識を発露する場であり、企画類もそのテーマに沿って行われていた。テーマを巡って論争が起きるほど11月祭における重要度は高かったようである。それ以降は主に「11月祭テーマ」、あるいは単に「テーマ」とだけ呼ばれ、統一テーマという名称は出てこない。初めて統一テーマという言葉が登場するのは68年のこと。当時は政治的対立から11月祭準備委員会が並立しており、あえて統一という言葉を持ち出したと思われる。68年以降は「統一テーマ」の名称が徐々に定着し、現在に至っている。

さてこの統一テーマ、しばしば議論の対象となっている。82年にテーマが公選制になると、テーマの意義が形骸化し、廃止にすべきではないかという意見も出た。結局テーマの存続は全学投票に付されることになり、結果、賛成多数で存続が決まった。現在も、テーマの形骸化は深刻である。今年の統一テーマは総票数133票のうち13票で選ばれた「     」である。学部生だけで1万人を超える京都大学の規模を考えれば、1㌫にも満たない学生の投票によって決められたテーマが「統一」と銘打たれている。近年の投票数の少なさについて11月祭事務局は「テーマに関する広報を拡大することや投票期間を従来よりも長くすることで投票数の拡大を図っている」と話している。今年度は中央食堂や吉田食堂前でのビラまき、企画申請書の配布や受付時にテーマの投票を紹介する、あるいは立て看板を設置するなどして広報してきたという。しかし、今年度は投票期間を1カ月近く延ばしたにも関わらず総票数は前年の198票と比べて3分の2ほどに減少している。統一テーマへの関心が薄れているのは間違いないだろう。あるいは、私の周囲の人間を見ていると、統一テーマが何に決まるかには興味があるものの、自分で投票する気にはならないようだ。確かに重複投票の防止のため氏名を記入しなければならないなど投票をためらわせる要素も多い。もっと気楽に投票できるようにしても良いのではなかろうか。

今年の統一テーマ「     」は、まるでテーマの存在そのものを否定するような代物だ。ちなみに、前述した68年に並立した11月祭準備委員会、そのうちの公式の記録として残されていない方の委員会が主張した統一テーマが『     』。奇しくも今年度の統一テーマと同一なのである。その年の京大新聞の「学園論壇」では演映連の名義で統一テーマの趣旨について以下の様に記されている。「……僕(達)は「幻想としての大学共同体」を基盤として、統一テーマを掲げて祭を行うことを、その虚偽のゆえに拒否する。それ故統一テーマ〈 〉、として統一テーマを掲げ得なかったのである。〈 〉、この空白こそ僕(達)にとって象徴的である。……」それから40年余りを経て復活したこの統一テーマは、昨今のテーマを巡る状況においても象徴的である。統一テーマは必要なのか、その意義とはなんなのかを問わなければならない。事務局は統一テーマの意義について、「11月祭統一テーマは毎年全学で募集・公選され決定しているものであり学内外からの注目度も高く、11月祭の広報などに役立っていると考えている」と述べており、ある事務局員は「他大学の学園祭におけるマスコットキャラクターのようなもの」とも話していた。

以上のように11月祭のテーマは、11月祭の運営そのものに関わり、政治的イデオロギーの発露の場でもあった状態から、現在の広報手段の1つとしての地位へと変遷してきた。統一テーマが今後存続するかどうかは「まだ決まっていない」と事務局は答えているが、おそらく続いていくだろう。こうしたテーマの歴史的変遷を踏まえて、統一テーマが今後どうあるべきなのか、一歩立ち止まって考えてみて欲しい。(奥)

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