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ベンチャーキャピタル設立へ 国立大学の出資では初

2014.11.16

9月、京都大学イノベーションキャピタル株式会社(以下イノベーションキャピタル)が、文部科学省・経済産業省により設立の認定を受けた。イノベーションキャピタルの設立は、2012年度補正予算の中に盛り込まれた、京大を含む4大学への出資金に基づくもので、京大であがった研究成果の実用化・事業化を支援することを目的としている。

イノベーションキャピタルは京都大学の出資によるベンチャーキャピタルであり、京大であがった研究成果の実用化を目指す企業に対して出資や経営指導といった支援を行っていく。産官学連携本部担当者によれば、基礎研究は投資のリスクが高いことや利潤が得られるまでの期間が長いことから、民間のベンチャーキャピタルが運営するファンドでは出資しづらい。そうした基礎研究を開発・実用段階へと持っていくべく、そうした研究の事業化を目指す企業への支援を主に行っていくとのこと。大学からの出資には文科省の認可が必要であり、現在、京都大学からの出資について文科省に認可を申請中である。この認可が下りれば、イノベーションキャピタルは大阪大学出資の大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社とともに、国立大学出資による初のベンチャーキャピタルとして設立されることとなる。

成長戦略の一環として、2012年度補正予算に京大を含む国立4大学への出資金が盛り込まれた。これは大学によるベンチャーキャピタルへの出資を主な用途としたものだった。しかし国立大学によるベンチャーキャピタルへの出資には国立大学法人法の改定が必要であり、2013年12月の産業競争力強化法の成立、それに伴う国立大学法人法の改定によりそれが可能となった。