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硬式野球部 田中、プロの世界へ

2014.11.01

10月23日、都内で2014年プロ野球ドラフト会議が行われ、京都大学硬式野球部の田中英祐投手(22)が千葉ロッテマリーンズから2位指名された。京大出身者としては初のプロ野球選手となる。

いろんな人に応援される投手に

ドラフト指名2順目。時計台の記者会見場が湧いた。京大野球部のエース田中が、ロッテから指名を受けたのだ。東大を除けば、旧帝国大学出身者としては初のプロ選手誕生の快挙に、会場の熱気は否応無く高まった。

制服姿の田中が会見場に現れると、室内は万雷の拍手とフラッシュに包まれる。 

高い評価をもらって感謝すると同時に、すごくほっとしている。

野球部監督兼部長の寶馨(たからかおる・京都大学防災研究所教授)が同席する中、京大のエースは開口一番そう笑顔をこぼす。目指す選手像を聞かれると、いろんな人に応援されるような選手になりたい、と抱負を語った。

自分は野球エリートじゃない。

会見の中で出たその言葉の通り、田中の野球人生は決して全てが順調ではなかった。中学・高校と進学校で過ごし、練習時間も設備も十分とは言えない環境。なかなか勝てない環境で、自然とプロ野球という夢は選択肢から消えていったと田中は語る。京都大学に入学したのもプロを目指してのことではなかったが、少ない時間を使って練習に励んだ。やがて、その努力は実を結ぶ。球速、変化球の精度ともに大きく向上し、2回生の春には関西学院大学を完封し、チームの60連敗を止める初勝利をあげた。その後も140キロ後半の速球と多彩な変化球を武器に京大野球部のエースとして活躍。そんな田中の姿は、次第にプロのスカウトの目に留まるようになっていった。

野球エリートじゃなかった自分が活躍することで、いろんな人に勇気を与えたい。

自分の野球人生を振り返りながら田中はこう語る。関西で通算防御率2・25、勝ち星8つを重ねた本格派右腕が、幕張のスタンドを沸かせる日も近い。

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