春秋講義 今のうちに、死への準備をしっかりと カール・ベッカー教授(こころの未来研究センター)(2014.10.01)

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9月27日、春秋講義が開催され、こころの未来研究センターのカール・ベッカー教授が「安心して終焉を迎える日本的な看取り:その準備、受容、意味」と題して講演した。

最初の10分間、ベッカー氏は、ある老夫婦のドラマを上映した。――ある時妻は体調の不良を訴え、病院に搬送され人工呼吸器を取り付けられる。苦しい入院生活が続いたが、何とか退院することができた。家族と退院祝いをしている時、「次に搬送された時は、呼吸器をつけないでほしい」と妻は切り出すが、家族は「縁起でもない話はよそう」とうやむやにしてしまう。

その後、妻は再度病院に搬送され、意識不明になる。人工呼吸器を取り付けるか否か判断を迫られる家族。退院祝いでの言葉を思い出し、呼吸器はつけず自然死を待とうとする夫と、何とか延命させたい娘。意識不明の本人に聞くこともできず、医師の前で言い合いになった。

このように本人の意思がはっきりしていないと、家族はどうして良いか分からず混乱に陥ってしまう。意識不明の本人を前に家族が「自然死派」と「延命派」に分かれ衝突し、絶縁状態になることもあるという。 家族に迷惑をかけないためにも、意識不明になった場合のことだけでなく、遺品整理や遺産相続、臓器提供などについても日頃から家族と話し合い、「事前要望書」としてまとめ、死への準備をあらかじめしておくことが重要だとベッカー氏は訴えた。

春秋講義は京大の研究成果を学内外で広く共有することを目的に、毎年春と秋に開かれる。52回を迎える今回は「生命と老化を考える」というテーマで、9月13日と27日の両日にわたってベッカー氏の他、斎藤通紀教授、垣塚彰教授、石川冬木教授が講演した。(築)

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