文化

[京大あれこれ]吉田南総合図書館裏の黒ねこ

2014.10.01

本連載では、京大生にはあまり知られていない京大のあれこれに焦点を当てていきます。

吉田南総合図書館の裏側。構内では比較的静かなこの場所に、大きなオスのねこが姿を見せる。記者が彼を初めて見たのは今年の6月ごろ。ドア前スペース中央に陣取り、静かに通行人を眺めていた。メタボ気味な体は貫禄たっぷりで、その姿はまるで玉座に鎮座する王のようだ。体は全体的に黒色だが右手全部とおなかは白い。両足と左手は先だけ白く、靴下を履いたようである。両足の肉球は色違いだ。

どんなねこだろうかと気になったので、彼に詳しい吉田南総合図書館のある職員の方に、彼の様子や行動について話を聞いた。

職員さんが最初に見かけたのは去年6月。たいていは階段付近で寝そべっているか座っているという。冬の寒い日には、近くの落ち葉に潜り込んでいたことも。見慣れている人に会うと、すり寄ってきて背を向けてくるという。なでると喉をゴロゴロ鳴らしながら気持ち良さそうに手を動かすのだとか。喉元をなでられるのもお気に入りの一つだ。

そんな彼だが、姿を見せるのは決まってお昼過ぎから夕方にかけての時間だけである。朝や夜はどこにいるのか分からない。週3、4日のペースで現れることが多いが、時には一週間ずっと姿を見せないこともある。彼に会うためには運と根気が必要だ。

記者は彼に何度か会ったが、警戒されてしまい魅力的な写真を撮らせてはくれなかった。初対面の人には警戒心も感じるようだが、学生だけでなく教職員の中にも彼と親しく遊んでいる人は少なくない。講義や自習などで疲れ、ちょっと一息したい時、彼に会いに行ってみるのも良いのかもしれない。(北)