京都銭湯芸術祭 銭湯と芸術のコラボ 「新たな風物詩に」(2014.10.16)

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9月27日から、国内で活躍する若手アーティストの作品が京都市内の銭湯に展示される「京都銭湯芸術祭」が開催されている。芸術作品は美術館やギャラリーで鑑賞するものという固定観念をうちやぶる、前代未聞の芸術祭に挑む実行委員の西垣さんらに話を聞いた。

実行委員のみなさん
京都銭湯芸術祭の実行委員のみなさん。左から井上さん、竹村さん、塩見さん、西垣さん。

上京区と北区の8つの銭湯を舞台に絵画、映像作品、インスタレーションなど様々な形態の作品が展示されている京都銭湯芸術祭。「銭湯」と「芸術」、一見縁の無さそうなこれらをつなげる斬新なこころみに挑戦するのは立命館大学の竹村望さんと、母校の京都造形大学で非常勤講師を勤め、アーティストとしても活動している西垣肇也樹(はやき)さん、井上康子さん、塩見友梨奈さんの4人だ。

芸術祭の実行委員会が立ち上がったのは昨年の5月。大学で染色を専攻する西垣さんと井上さんと塩見さんが、京都の生活文化に根付く銭湯で自分たちの作品を展示したいと思ったのがきっかけだった。「ふだん作品を展示するギャラリーはアーティストに優しい空間。すごい作品というていで意見をくれる。だけど銭湯にくるお客さんは芸術に詳しくない一般の方がほとんどで、もっとダイレクトに色んな意見をもらえるんです」。

その後、展示規模を大きくするために、アーティストを公募することに決めた。「単発で銭湯に展示するのではなく、京都市内に散らばる銭湯をつなげて湯巡りのできる芸術祭にすればもっと面白くなると考えた」と西垣さんたち。選考ではギャラリーで展示されるような絵画作品や装飾作品ではなく、銭湯に来るお客さんとの間にコミュニケーションが生まれる作品を選んだ。「ふつう芸術作品は洗練されると見やすい状態で展示されるもの。一方、銭湯には水に濡れる、お客さんが触るなどいろんな制約がある。アーティストがそうした制約をかかえて、あえて挑戦することに新しい芸術の可能性があるんじゃないか」。

いちばんの苦労は銭湯側との交渉だったという。「ちょうど外壁のペインティングを新しくしようとしていた京極湯のご主人に芸術祭の相談にのってもらい、浴場組合と交渉することになったんです。だけど最初のうちは芸術作品を展示することの意味を理解してもらえなかった。手ぬぐいやうちわを作るのではあかんのと言われた事も(笑)」。交渉は長い間難航していたが、京都市を巻き込んで、なにより京極湯のご主人と組合の副理事長を務める紫野温泉のご主人の強い後押しも手伝って、なんとか実現にこぎつけた。

銭湯芸術祭は今後どうなっていくのだろう。「まずは作品を展示する銭湯をもっと広げていきたい。作品をコミッション・ワークのように恒久的に展示していけたら、という話もある。将来的には京都の風物詩みたいにしていければいいかな」と西垣さんたち。京都の誇る銭湯文化そしてアートの両方を盛り上げていく画期的なこころみにこれからも期待したい。

京都銭湯芸術祭は今月26日まで開催されている。25日には椿昇氏、宮永愛子氏、パラモデル氏による作品公表会が、さらさ西陣にて行われる。また26日には吉岡洋氏(文学研究科教授)と都築響一氏(写真家)による講演会が同会場にて行われる。(羊・築)

龍宮温泉(福田ちびがっつ翔太)


龍宮温泉

がっつのでる空間がコンセプトの作品。まくがっつ、へきがっつ、けんがっつ、たながっつ、TVがっつなど、がっつのでる様々な作品が展示されている。「けんがっつは、ちびがっつさんのポートレイトを立体化した石鹸で、みんなが面白がって使っていくうちにコミュニケーションが生まれてくるんですよ」と西垣さん。

大徳寺温泉(小松 綾)


大徳寺温泉

凸凹を表面に施したアクリル板を鏡やガラスにはりつけた作品。浴場で作品をみると、自分のゆがんだ裸の像が浮かび上がる。「見る—見られる」ことの関係性を鑑賞者に問う。「わざわざ作品の前で歯をみがいているひともいて、一体なにを考えているんだろうと思いますね(笑)」と竹村さん。

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