1コマでキャンパスを飛び出そう!(2014.04.16)

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新入生の皆さん、大学生活にも慣れてきたころでしょうか。共北や4共などの教室の場所はもう覚えてしまったでしょう。ですが、京都大学が京都のどこにあるか知っていますか。京都の名所の場所は知っていますか。今号では新入生に京都の地理を少しでも知ってもらうために編集員が空きコマを使って五つの場所に行ってきた様子を紹介します。行き先の方角も移動手段も様々です。空きコマを授業の予習・復習や友人とのおしゃべりに費やすのもよいですが、使い方次第できれいな景色を楽しんだり、小腹を満たすこともできるのです。(編集部)

①祇園・清水 ささっと世界遺産見物


建て替えられてはいるものの大昔から同じ場所に残っている、しかも街中に。そんな例がもっとも多いのは京都だろう。その一例に世界遺産、清水寺がある。最も多くの日本人が訪れたかもしれないこの寺も、京都大学から手軽に行くことができる。清水寺は平安時代から続く寺院で、寺の名前の起源となった音羽の瀧と、都を一望できる舞台が有名である。昨年紅葉の季節の夜に行ったが昼の様子も見たかったので今回の行き先に選んだ。そして清水寺の北には八坂神社がある。正月三が日に毎年何百万人もの人々が参詣し、普段でも人の訪れは絶えないらしく、なにかとご利益がありそうなのでここも行き先に選んだ。円山公園は八坂神社の東に隣接している。しだれ桜を,見ごろは過ぎているが有名なので一見しようと寄り道することにした。今回、筆者は以上の三か所を観光してきた。以下でその様子を紹介しよう。といってもたった一コマ分の時間である。そんな短い時間で鑑賞し尽せるほどの場所ではないことは一応述べておく。

14時35分、吉田南構内からまずは東大路通りに出て京大正門前のバス停から市バスに乗った。東大路をひたすら南下して15時3分に五条坂のバス停で降車した。目の前の五条坂を登り始めたが、観光バスの通行路でしかも歩道が狭く歩きにくい。途中、「清水寺への近道」という看板とともに分かれ道が現れた。少し古そうな看板だが以前来た時にこんなものあったか。これは怪しい。しかしこのまま狭い五条坂を登ると土産物屋ひしめく清水坂と合流するが、今回は時間もなく土産物に興味はないので看板を信じて脇道にそれると、お店の数も人の数もほどほどで裏道という感じだった。

15時16分、徒歩15分ほどで看板のいうとおりに清水寺に到着した。さすが京都を代表する観光地なので平日の昼間でも人が多い。世界遺産であるこの寺の説明は不要だろうと言いたいが実はあまり知らない。調べてみると征夷大将軍・坂上田村麻呂が創設に関わっているらしい。あまりにも有名な「清水の舞台」に登る(から飛び降りる)には拝観料が必要であるが、限られた時間でさっさと回ってしまうのももったいない。別の日にゆっくり回ろう、ということで本堂には参拝していないが境内からでもまあまあ良い景色を臨めた。ところで帰ってから思ったことは祇園まで歩くのを諦めれば本堂に入る時間があったかもしれない。ただし実際に空きコマに清水寺に行って授業に遅れても責任はとらない。

15時25分、清水坂を下り始める。こちらは先の坂と違って大賑わいでいくつも並ぶお土産屋が出す試食の生八つ橋がいいおやつになった。抹茶やチョコレートなど試食の生八つ橋の味の種類は豊富なのですぐには飽きない。うれしいことに店によってはお茶までふるまってくれる。満足したところで五条坂との合流地点の手前を右に折れた。産寧坂と呼ばれるこの石畳の通りが醸し出す京都らしさは素晴らしかった。京都をよく知らない人が想像する京都とはおそらくこの道のようなものだろう。ここを背景にすれば着物も似合う。このまま二年坂を通り抜けて高台寺の脇、ねねの道に入った。ちなみにねねは豊臣秀吉の妻の名前、高台寺は彼の冥福を祈るために建立された寺院ということは数年前に観た大河ドラマで知っていた。

15時55分、円山公園に到着。桜の見ごろは過ぎているわりになかなか混雑していてゆっくりできそうになかった上に時間も押していたので先を急いだ。八坂神社の鳥居をくぐって本社を参拝した。古事記を漫画化した某著作のせいでこの神社の祭神、スサノオノミコトをあまり信頼していないが、念のためお賽銭を入れて「単位がもらえますように」とお願いした。そのまま東大路に出ようとすると、縁結びの神様と書かれた看板と小さな社が目に入った。お賽銭を入れようと思ったが神頼みするほどに自分は努力していなかったのでやめておいた。

16時10分、祇園のバス停から市バスに乗って16時20分過ぎに京大正門前に到着。ばっちり5限に間に合う時間である。修学旅行で訪れた人も多いだろう清水寺は意外と大学のすぐそばにあるのだ。空いた時間にささっと立ち寄れば勉学に燃えた時代を思い出し決意を新たにできる、かもしれない。(海)

②琵琶湖疏水 疏水に学ぶ近代京都


京都大学吉田キャンパスがある京都市左京区に琵琶湖の水が流れていることをご存知だろうか? 明治時代の1890年、水運で物を運ぶために琵琶湖、京都の間に運河が引かれ、またこの水を用いて日本初の営業用水力発電も行われた。今回は白川今出川から南禅寺を経由して平安神宮まで、サイクリングを楽しみながら近代の京都について勉強することにする。

14時30分、授業が終わるとすぐに百万遍を出発。今出川通を東に向かう。白川今出川東南角の50年以上の歴史を持つアイス屋「銀閣寺キャンデー」でパインジュース小(30円)を飲み、水分と糖分を補給する。夏はアイスキャンデーを食べてもいいだろう。ともに自家製で美味である。

14時40分、ここから疏水である。白川今出川東北角より白川疏水(哲学の道)に沿って南に走る。「哲学の道」の名は京都帝国大学で哲学を研究した西田幾多郎が、この道を散策しながら思索に耽ったことが由来である。春は桜、夏は緑、秋は紅葉が綺麗で、道の周囲には小物店やカフェが多い。山手には銀閣寺、境内に谷崎潤一郎の墓がある法然院、同志社大学を創設した新島襄・八重夫妻の墓など見所も多く、また機を改めて訪れたい。道は途中から砂利道になる。景色を眺めながらゆっくり走るのがよいだろう。

15時05分、南禅寺に到着。自転車を停めて境内奥にある疏水橋に向かう。ここは今も琵琶湖の水が流れている。レンガで作られた橋の上を疏水に落ちないよう気をつけて歩くと、蹴上発電所に到着する。ここは1891年に完成した日本初の営業用水力発電所であり、この電力を用いて1895年に日本初の市電が開業した。路線は2月に今の京都駅(七条)から京阪中書島駅のあたりを結ぶものが、4月には七条から第四回内国勧業博覧会会場の岡崎を結ぶものが敷かれた。蹴上発電所は今も関西電力の無人発電所として発電を続けている。

少し南に行くとインクライン跡に到達する。東山と京都盆地の境にあるこの場所は勾配が急であるため運河で物資を運ぶことができない。そのため、レールを敷いて船を載せた台車を昇降させたのである。インクラインの上からは京都の街が見渡せる。

桜の木のトンネルになっているインクライン跡を下りると、琵琶湖疏水記念館に着く。ここは建設当時の地形図や当時用いた発電機などの資料、蹴上周辺の地形やインクラインの模型を展示しており、琵琶湖疏水の歴史を楽しく学ぶことができる。

南禅寺から自転車に乗り、疏水沿いを西に行く。平安神宮や京都国立近代美術館、京都府立図書館など文化施設が密集した岡崎公園沿いの疏水は広く深くお城の堀のようで、両岸には桜の木が並ぶ。東大路を北に向かい、京大正門に到着。16時30分からの授業に出席する。

最後に実際に走った感想と注意点を書く。疏水沿いは緑が多く走っていて気持ちよかった。ルートも左京をぐるっと10キロメートル大回りするだけであまり疲れない。近代京都の建築や交通を見ることができるから、歴史や建築・交通が好きな人はとても楽しいだろう。南禅寺、琵琶湖疏水記念館ともに無料でお財布にも優しい。注意点としては、これからの季節は暑いので、必ず水を携帯し、できれば帽子をかぶって行くことである。疏水橋の上やインクライン跡など不安定な場所を歩くので、歩きやすい靴が望ましい。(智)

③一乗寺 満喫☆おやつラーメン


京都でも有数のラーメン激戦区、左京区一乗寺。京都大学からもそれなりに足を運びやすい距離なのはいいのだが、なにぶん人気店が多く、昼食の時間帯にはどこも混雑している。並ぶのが苦手だという人にとっては、辟易させられるものだろう。

しかし、そんな名店たちも、ひとたび昼食どきが終われば落ち着きを取り戻す。ラーメンに向き合うには最高の環境がそこにはある。

なればこそ、我々は「おやつどき」にラーメンを食べに行くべきなのだ。せっかくの空きコマ、コレと決めた一軒で終わり、量より質だ、などとケチなことは言わない。ラーメン屋はそこら中にあるのだから、何軒もまわって質も量もとろうではないか。

3限終了とともにバスに飛び乗り、一路北へと向かう。自転車で行けないほど遠くはないのだが、それでもバスを使ったのは、満腹状態で自転車をこぐのが嫌だというのと、駐輪場の少なさに配慮してのことだ(実際、駐輪場のない店も多く、他の土地への無断駐輪を嫌って徒歩での来店を推奨する店もある)。今回のために朝食ち昼食は抜いてあり、胃袋の調整も万全だ。

高野の交差点――東大路と北大路の交わる場所だ――でバスを降り、さらに北へ。一軒でも多く回るため、移動はダッシュだ。1軒目の「極鶏」、2軒目の「高安」と、順調にラーメン屋を回る。いずれも結構な人気店なのだが、そこはおやつどき、待たされる苦痛もなくラーメンを味わうことができた。これぞおやつラーメンの醍醐味だ。この時点で授業終了からおよそ1時間。大体15分に一軒のペースで回れているし、あと2軒行けるのではないか。――このときはそう楽観的に考えていた。

動物系を2連続で食べたし、気分を変えようと訪ねたのが3軒目の「新進亭」。オススメと言われた白味噌ラーメンを頼み、一口目を口に運ぼうとしたときだった。おかしなことに、箸がまったく進まないのだ。誤解の無いよう断っておくが、ラーメンの側に問題はない。味噌のスープに浮かぶもやしにチャーシュー、味噌の匂いの中にアクセントとして混じる香辛料の香りはむしろ食欲をそそるものだ。箸が進まないのは、胃袋の限界のせいだった。高安のラーメンの食べやすさのせいで誤魔化されていたが、それほど大食漢というわけでもない私の胃袋はとうに容量の限界を迎えていたのだ。しかし食べ残しは私の倫理にもとる不徳。なんとか根性で食べ進める。さらに悪いことに新進亭のラーメンは、3軒のうち、ラーメン単品で一番ボリュームがあった(ように感じた)。安易に3軒目に足を踏み入れた数分前の自分を呪いつつ、なんとかラーメンをすする。念を押すが、白味噌ラーメンはおいしいものだった。

なんとか食べ終えた私は笑顔で会計を終えるとふらつきながら道路に出た。もう無理。4軒目は無理。胃袋に詰まったラーメンが肺を圧迫しているかのような息苦しさを感じる。ベルトを外してもなおきつい。あまりの苦しさから、やや身体を前に傾けながらも背筋はピンと張り、顔は正面を向くという、ペンギンのような格好でバス停まで向かうこととなった。滑稽だと思われるかもしれないが、顔を下に向けるともどしそう、背筋を曲げても胃を圧迫してもどしそうという状況では、ああするほかなかったのだ。やっとのことで帰りのバスに乗り込んだ私だったが、そこにも落とし穴が潜んでいた。そう、バスの振動だ。小刻みに揺れるバスの車体が、私の内臓をかき回す。私はあまりのことに、独り車内で悶絶した。……いや、本当に吐くかと思った。

バスを降りる頃には虫の息。なんとか車内で内容物をぶちまけずにすんだ私は、次の授業の教室に入るなり、机に突っ伏すこともできず、姿勢正しく席に着いたのだった。

結果的に苦しさばかりが印象に残り、しばらくラーメンは見たくない、というのが感想なのだが、それは食の太くない私が変に欲張ったためであり、大食いを自負する人ならば空きコマで4軒まわることも可能だろう。もちろん、そうでない人も、お昼時は込みすぎていて入れないような店を1軒訪ねれば十分楽しめるはずだ。ちょっと空いたその時間、貴方も一乗寺でおやつラーメン!(待)

④嵐山 1コマの限界に挑戦


1コマという空きコマでどこまで遠くに行けるだろうか。ふと思い立つ。もちろんバスや電車などを使えば、楽に遠くまで行けるに違いない。しかしそれでは物足りない。自分の脚を使って移動しよう。それならばより大きな達成感を得られるに違いない。その思いを満たすため、自転車を使って嵐山へ行こう。

嵐山に至るには様々なルートが考えられる。1コマで往復するにはできるだけ速く移動しなければいけない。だから、できるだけ短い距離を選ぶ必要がある。しかし、身の安全が確保されていなければいくら速くても仕方がない。そのため、主要道路を用い、路地など車の出入りを確認するのが難しい道は避けることにする。最後に考慮しておきたいのは、途中観光地を通ることだ。たとえ中まで観ることはできなくとも、より充実したサイクリングになることが期待される。

そこで採用したのが以下のルートである。往路は、京大から今出川通りを西進し、府道29号線を経由して嵐山に至る、12・7キロメートルを疾走する。妙心寺や仁和寺をはじめ、多くの観光地を通過できるのが魅力だ。復路は、嵐山から三条通りを通って途中丸太町通りへ移り、東進した後川端通り経由で京大へ戻る、11・5キロメートルを全力で漕ぐ。観るべきものは少ないが、距離は短く、時間に追われているに違いない復路では好都合に違いない。

3限が終了後、すぐさま嵐山へ向かう。今出川通りを走るとやたらとパン屋が目につく。パンの消費量が日本でもっとも多い都市だけあるなと、一人合点する。今出川通りを抜けて西大路通りをまたぎ、妙心寺北門前を通過。京福嵐山線の踏切に引っかかり、やむなく足止めをくらう。踏切を越えると仁和寺前に出る。ここからはしばらく自然豊かな道となり、都会の喧噪から離れられる。西行にも詠まれたという広沢池を通ると、美しい景色を見ることができ、こぎ疲れた身体が癒されるようだ。嵐山周辺でJRの踏切にも引っかかる。急いでいる時に限って、運が悪いと毒づく。

だんだんと人が多くなってくるにつれて嵐山に近づく。渡月橋前で右に折れてしばらく走り、ようやく目的地の嵐山公園亀山地区に到着する。出発から52分が経過していた。途中観光スポットが多く退屈はしなかったが、長い道のりに感じられた。多くの観光スポットが犇めくここ嵐山で嵐山公園亀山地区に行くことにしたのは、桂川の絶景を一眺するためである。着いた達成感に浸る間もなく、残り時間を気にしながら展望台まで全力で駆け上がる。しかし、途中で海外から来たであろう観光客に呼び止められる。ゆっくり観光している様子を取り繕って、中国人とアメリカ人の写真撮影にそれぞれ笑顔で対応する。その後展望台に到着する。展望台からの景色は素晴らしかった。桂川の両岸には小高い山が聳え、奥には渓谷が続いていることが伺える。少々高いところから眺められるため、迫力感ある桂川を眼下に収めることができた。嵐山での収穫はこの景色が全てといっても過言ではないけれども、それだけで「遠くから来てよかった」と思わせた。寺社拝観は嵐山の定番コースであるが、この景色のような自然の美に触れるのもよいだろう。

しばし充実感に浸った後、急いで帰路につく。結局、観光地嵐山での滞在時間は15分であった。これまでもそうであったが、帰路は特に時間との戦いである。いらいらしながら嵐山の混雑を抜けて、三条通りを東進する。少しの時間路面電車と並走した後、丸太町通りに移る。行きにも通過した妙心寺の南門前を通る。このあたりで4限終了まで残り15分を切る。もちろんここから京大まで15分で移動することなど望めない。休み時間も換算して5限開始までに戻ることに期待をかける。丸太町通りから川端通りに左折して荒神橋付近の交差点で信号に引っかかる。この交差点は正確にクロスしていない珍しい構造をしており、信号が変わるまでに妙に時間がかかる。なぜそうなっているのか急いでいる今は全く考えられず、ただ運の悪さを呪う。青に変わった途端にダッシュして、京大正門前に到着する。到着は16時30分。急いだものの、帰りは50分かかった。残念ながら5限には遅刻だ。

1コマでの嵐山往復に挑戦し、授業に間に合ったかはともかくも、全力を尽くして戦った。安全に留意し、行程にある観光スポットに目を向けるサイクリングであったことは、より充実した時間をもたらしてくれた。

「嵐山へ」とはいわないが、読者もどこか「できるだけ遠くへ」1コマで行ってみてはいかがだろうか。安全に、そして時間内に帰って来られるなら、大きな達成感を得られるに違いない。(千)

⑤伏見稲荷 帰り道には気を付けて


私は空きコマを使って、京大生にお馴染の京阪出町柳駅から、京都市は伏見区・伏見稲荷大社を訪問した。

伏見稲荷大社というと伏見区にあって遠そうなイメージがあるが、京阪電車の準急で18分という意外と近い場所にある。詳しい旅の予定は別表を参照してほしいが、空きコマの時間で十分行ける計算だ。伏見稲荷大社は千本鳥居で有名だそうなので、一度くぐってみたいと思っていたところだった。また最近インターネット上で有名な「たい焼きパフェ」(たい焼きの口に生クリームなどを無慈悲に突っ込んだパフェ)が伏見稲荷大社の境内で売られているとの情報を得たので、それもついでに食すことにした。それだけでは時間が余るだろうから、神社のおみくじでも引いていこう。別に最近流行のアニメ「いなり、こんこん、恋いろは」を意識したわけではない。さて、以下では旅路のレポートをしていこう。

14時30分、4共を出発。多すぎる1回生の波に出鼻をくじかれるが、35分にはルネ前に自転車を停めることに成功し、予定通り14時54分の京阪電車準急淀屋橋行に乗れた。15時過ぎに京阪電車伏見稲荷駅に到着。15時15分には伏見稲荷大社に到達した。観光客を避けて社の写真を何枚か撮りつつ、まずは千本鳥居に向かった。

千本鳥居はうわさに聞いたごとく、朱色の鳥居が二股に分かれて延々と伸びていた。鳥居の裏側(入り口と逆側)には鳥居が建てられた年月日と鳥居に寄付をした個人・企業の名前が書いてあり、なんだか興ざめした。ただまあ、所狭しと二列に並べられたきれいな鳥居は見物ではある。

千本鳥居を抜けると、少し開けた場所に出る。設置されている地図を見ると、さらに上にも見るべき場所はあるようだが、この時点で時間は15時30分過ぎ。これ以上の深追いはやめにして、ここまでで見学を断念することを決める。あたりをうろうろしてまず目に留まったのは「おもかる石」という石である。この石は「願い事を唱えながら持ち上げて、思ったより軽かったらその願い事が成就し、思ったより重かったら成就しない」というような曰わくのあるものだそうだ。京大の末永い発展を願う私は「京大でグローバルリーダーが育ちますように」と願いながら、えいや、っと石を持ち上げたが、思ったよりものすごく重かった。

その次に200円のおみくじを引いた。「凶後吉」という微妙な結果になった。おみくじには「まちびときたらず」とか書かれていたので、木でできた台に括り付けて帰った。後日友人から「伏見稲荷のおみくじは厳しめだよ」という情報を入手したが、それでもあんまりである。この時点で時計は15時40分くらいを示していた。

千本鳥居を引き返し、境内を通っていくと行きにも見える「たいやきパフェ」の屋台が見えてくる。1個400円と多少値が張ったが購入。他にも6つほどメニューがあったが、私は「キャラメルバナナ生クリーム」を注文した。たい焼きの生地が甘くておいしく、しかもクリームが入っており、非常に満足度の高い一品だった。この時点で大体15時50分くらいだったと思う。

帰宅しなければならない時が近づいてきた。だが、伏見稲荷は私をそうはさせない。伏見稲荷駅までの道中で「うずら串焼700円」の表示を見つけてしまったのだ。うずら焼き鳥を食べたい欲に勝てず、ふらふらと店の前を右往左往したのち、店先のおばさんに話しかけてしまう。この時15時55分。「うずら串焼き、どのくらい時間がかかりますか」「7分くらいかなあ」「じゃあお願いします」このやりとりがあだとなった。店内で熱いお茶を飲んでしばしゆっくりし、できたてのうずら串焼きをほおばりながら急いで駅に行くと、次発の電車が16時10分だという。行きの時間から計算すると、出町柳駅到着は最速で16時28分だ。ここで私の5限遅刻が確定した。結局私は16時半を、出町柳駅近くの情熱ホルモン跡地付近で迎え、4共に帰ってきたのは16時45分となってしまった。一応記しておくと、15時51分、55分、16時04分の準急に乗れば、5限までには帰ることができたようだ。

旅行には誘惑が多い。しっかりと事前の予定を立て、悪魔のささやきに打ち勝てる者が、キャンパスを飛び出して空きコマを有効に活用することができるのだろう。(穣)

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