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四条がすっきり 3日間にわたって交通社会実験 歩道拡張・一般車両規制

2007.11.01

10月12日の17時から20時、および13日・14日の12時から20時にかけて、京都のメインストリート、四条通りをトランジットモール化する社会実験が行われた。トランジットモールとは、一般車両の交通を規制し、路線バスやタクシーといった公共交通機関のみ交通することのできる道で、ヨーロッパの都市では導入されているところも多い。

今回の実験では、事前1時間程の準備の後、バス停前および交差点付近を除いて両脇2車線に仮設の歩道が設けられ、市職員および五条警察署員の指示の下、四条通りへの一般車両の進入が禁止された。看板やポスター、バスを用いての事前の告知を徹底したこともあり、大きな混乱はなかった。当日は四条通りのいたるところで調査員が歩行者や自動車の交通量調査と市民への聞き取り調査を行っていた。実験中車両の交通はスムーズになったが、仮設の歩道を歩く人はまばらだった。

今回の試みは、京都市都市計画局が中心となって行っている「歩いて楽しいまちなか戦略」というプロジェクトの一環として行われたもの。10月5日から14日まで、トランジットモール化の他、四条通り、御池通り、河原町通り、烏丸通りに囲まれた、歴史的都心地区において、細街路における車両通行の禁止、無料駐輪場の設置、100円バスの増発、小型バス「ポンチョ号」の運行、共同荷さばき場の設置などの取り組みが行われた。どのような結果がでるのかは都市計画局の報告を待つしかないが、慢性的な渋滞、バスの定時性不良などの交通上の問題を抱える京都市の交通政策の今後を考えるための参考資料となるだろう。

京都市の交通事情を改善しようと2006年5月に設立された「歩いて楽しいまちなか戦略推進協議会」は、3回の協議会と6回の幹事会を経て、9月4日に行われた第4回協議会において今回の社会実験の実施計画をまとめた。同協議会には、各地区市民団体の代表、商業関係者、京都府警のほか、京都大学工学研究科教授北村隆一氏など、大学関係者も名を連ねる。協議会ではこれまでの取り組みを参考にして2008年度以降、抜本的な交通政策実現を目指す、としている。

《本紙に写真掲載》