文化

総博企画展「海」 京大に “クジラ” 最新の映像技術で堪能

2013.11.01

京都大学総合博物館で企画展「海」が開催されている。今回の企画展では海についての技術の発達などがテーマだ。アオウミガメの生態など親しみやすい話題から、最新の海底調査などのテーマまで広く取り扱い、海の姿を様々な角度から解き明かす。たとえば古代から現代に至る海の生物の多数の標本からは、生物の進化の歴史をうかがえる仕組みになっている。しかし何といっても今回の目玉は、期間限定で展示されているザトウクジラとミナミハンドウイルカの「映像」だろう。10月26日から11月3日に同企画展の中で開催された、期間限定映像展示「クジラがやってくる!?」である。

もちろん本物のクジラがやってくるというわけではなく、あくまで映像展示だ。しかし、その迫力はまさに圧倒的で、映像であることを疑うほどであった。

この迫力を生み出しているのは、最新の映像技術、そして音声技術である。「ライトアニマル」という展示方法が使われており、実物大の生物を動きや声を伴うCG映像で映し出している。ライトアニマルとは画面を窓に見立て、コンピューターグラフィックスで作られた動物を映像として投影するものだ。これは映画など、もともと撮影された映像を流すものとは根本的に異なる技術である。映像を操作し、それをそのままスクリーンに映すことで、来場者は擬似的に動物たちと触れあうことができる。

そして音声技術も注目できる点であろう。場内7か所に設置されたスピーカーが、まるで海の中にいるかのような空間を生み出す。工夫はスピーカーの設置だけではない。独特な音波を発するこれらのスピーカーは小さな音をより遠くまで響かせることもできるという。泡の音やイルカのコミュニケーションの音、クジラの声などの海の様子を、技術によって表現することを可能にしている。

同企画展は7月31日から12月1日まで、午前9時半から午後4時半まで(入館は午後4時まで)で行われる。休館日は月曜日・火曜日(平日・祝日に関わらず)。京大生は学生証の提示により入場は無料。 (草)

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