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高江の住民と「ゆんたく」 映画『標的の村』公開記念イベント開催

2013.10.01

9月7日、映画『標的の村』が京都シネマで公開され、それに合わせて堺町画廊にてトークイベントが開催された。映画出演者で「高江ヘリパッドいらない住民の会」共同代表の安次嶺現達さんと伊佐真次さんを招き、集まった京都の市民ら約人と映画や高江の現状について「ゆんたく」した。「ゆんたく」とは琉球語で、「おしゃべり」を意味する。

沖縄本島北部に位置する東村高江では、集落の周りに米軍の北部訓練場が位置している。1996年、日米両政府は、北部訓練場の半分を返還する代わりに、高江を取り囲むようにヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)を建設することに合意した(後にオスプレイ用と判明)。中には民家から400メートルしか離れていないものもある。

2007年の着工以来「住民の会」は工事を止めるために座り込みを続けてきた。「本来なら2008年までには出来ているはずの6つのヘリパッドが、残念ながら一つ今年の2月に完成したけれど、6年間かけてたった一つだけ。工事を長引かせている間に世論を盛り上げて、『ヘリパッドおかしいんじゃないの?』と言わせるようにやっていきたい」と伊佐さんは語った。また安次嶺さんは「映画を見て『大変だ、知らなかった』で終わらないで、京都なら京都でできることを行動に移す。その輪をどんどん広げてもらえれば、高江の基地もきっとなくなる」と訴えた。

一方で参加者からは、「『見た人が傍観者でいられなくなるような映画にしたい』という監督の言葉がスクリーンの中でよく表れていた」「高江の人たちは毎日生活を脅かされていることを実感した」「無関心が一番恐ろしいと感じた」など映画の感想が寄せられた。

会場から二人への質問もあり、「ウチナンチュー(沖縄人)同士が争っているが、本当の敵はどこにいるのか」という問いかけに安次嶺さんは「争わせているのは国。防衛局や警察は生活もあるから、上から命令されれば動かざるをえない。国を変えない限り、どうにもならない」と答えた。(朴)