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iPS細胞研 病院西構内に研究棟新設へ 今秋より工事開始

2013.09.16

京都大学はiPS(人工多能性幹)細胞研究を推進するため、来年度と再来年度にiPS細胞研究に関連した施設を病院西構内に新設する見通しだ。施設部によれば、2014年度中の完成を目処にiPS細胞研究所の第2研究棟を、2015年度中の完成を目処に第三研究棟と総合研究棟を建設する予定だという。このうち、第2研究棟については今秋より着工される。

第2研究棟は地上5階、地下2階建てで、延べ床面積は5480平方メートル。病院西構内メディカルイノベーションセンター棟東に建設される。第2研究棟は第1研究棟と渡り廊下で接続し、研究の拡大に伴うスペース不足を解消するために利用される。建設費には昨年度の国の補正予算で「iPS細胞等を用いた再生医療を実現するための基盤整備」に計上された214億円のうち、京大のiPS細胞研究所の新棟建設にあてられた40億円を利用する。

第3研究棟は再生医療用のiPS細胞を作製し備蓄する「iPS細胞ストック」事業の拠点施設となる見通しだ。建物は地上5階、地下2階建てで、延べ床面積は7530平方メートル。iPS細胞研究所第一研究棟の東側、現在、病院地区給水センターが位置する場所に建設される。建設費については国の2014年度予算で現在、概算要求を行っているという。また、この第3研究棟の新設に伴い給水センターが取り壊されるため、工事に先立って、給水センター棟が病院西構内のアーチェリー場跡地に建設されることとなる。給水センター棟は2階建てで、屋上にはアーチェリー場が整備される。給水センター棟は来年3月末に竣工の予定。

総合研究棟は地上5階、地下2階建て。延べ床面積は11900平方メートル。研究棟は病院西構内、薬学部本館の南側に建設され、主にiPS細胞に関する総合研究に利用される。建設費は国の2014年度予算で概算要求中であるという。建設に伴い、建設予定地にある薬学部栽培温室は薬学部本館西側の薬草園内に移設される。また、移設工事と共に薬草園の整備も行われ、現在、課外活動に使用されているプレハブは取り壊され、別途使用される倉庫が建設される。そのため、薬草園内のプレハブを使用しているマンドリンオーケストラは学生集会所跡地に建設予定の新施設に入居する予定となっている。

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