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経済学研究科 アカハラ訴訟 アカハラ行為 認定されず 京都地裁、元院生の請求棄却

2013.07.01

経済学研究科の男性教員及び元教員2人からハラスメントを受けたとして、同大学院生だった女性が、教授らと京都大学に損害賠償を求めている訴訟の判決が6月11日、京都地方裁判所であった。大島眞一裁判長は、原告側が存在を主張したハラスメント行為を認定せず、それらが認定されない以上大学の安全配慮義務違反および債務不履行責任を論ずる余地が無いとして、請求を棄却した。これを受け、原告側は同月22日に控訴を提起した。

この問題をめぐって、原告女性は08年2月、全学ハラスメント相談窓口へ教員を被申立人として調査・調停手続を申し立てた。経済学研究科長が調査・調停委員会で成立した調停内容ないし調査・調停委員会の提示する対応案に従うことを確約したので、人権委員会ハラスメント専門委員会は調査・調停委員会の設置を決定。同委員会は09年9月10日、原告女性がハラスメントだと主張する行為の一部をハラスメントと認定し「経済学研究科においては懲戒の手続きを開始するのが相当である」との対応案をまとめた。

しかし経済学研究科は10年3月、独自で行った事実調査を根拠に、全学の調査・調停委員会がハラスメントと認定した行為の一部しか認定せず、一人を訓告処分、一人を口頭注意というより軽い処分にとどめた。

原告女性は、「経済学研究科の対応は全学の調査調停における事実認定を覆し教員をかばうもので、ハラスメント防止・対策の組織のあり方についてその期待を著しく裏切られた。長期に渡って被害救済が行われず、そのことによって著しい精神的苦痛がもたらされた」として、同年7月14日付けで京都地裁に提訴した。