全学共通科目にキャップ制 工学部除く9学部で導入(2013.04.16)

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2013年度より、京都大学の全学共通科目の履修にキャップ制が導入された。キャップ制は1年間または1学期間に履修登録できる単位数(もしくはコマ数)に上限を設ける制度。適用は現在の1回生からで、2回生以上はこれまで通り履修登録できる。工学部は今年度キャップ制の導入を見送った。

今回のキャップ制導入については、高等教育研究開発推進機構の全学共通教育システム委員会の下に2012年4月18日に設置された共通・教養教育企画・改善小委員会にて検討され、システム委員会に報告された。その後、システム委員会は半期15コマ(30単位)の上限を目安としてキャップ制を導入するよう各学部に呼びかけた。キャップ制は卒業要件に関わることで、各学部の専権事項となる。そのため、最終的に各学部の判断により、工学部以外の9学部が導入を決定した。各学部の上限となる単位数は表の通り。工学部が今年度の導入を見送ったことについて、関係者によると、キャップ制の導入によるのではなく、履修指導をしっかり行うことによって学生の科目履修姿勢の改善を図ることが理由だという。

キャップ制導入の背景には、一つは認証評価がある。京大は2013年度に認証評価を受けることになっており、教育内容について大学設置基準を満たしているかどうか審査される。大学設置基準第27条の2第1項(1999年9月に追加・改定)「大学は、学生が各年次にわたつて適切に授業科目を履修するため、卒業の要件として学生が修得すべき単位数について、学生が一年間又は一学期に履修科目として登録することができる単位数の上限を定めるよう努めなければならない」との規定が法的根拠となり、認証評価ではキャップ制導入に向けた「努力」が求められる。実際、2011年9月21日付の『全学共通教育システム検討小委員会議論のまとめ』(2012年9月20日付で全教職員宛に送られた総長書簡に添付された「参考資料3」)の中で「キャップ制の問題は次回認証評価までに解決すべき重要課題であり、全学共通教育システム委員会の場で取り上げるべき重要課題と考えられる」と述べられている。

背景としてそのほか「(要卒単位を単純に減らした場合)卒業要件のためだけの全学共通科目履修に一層の拍車がかか」る(『平成25年度以降の全学共通科目の科目設計等について(報告)』、上記総長書簡添付の「参考資料4」)との懸念もある。日本の大学における単位制度では「一単位の授業科目を(授業時間内外合わせて)45時間の学修を必要とする内容をもつて構成することを標準とし」ている(大学設置基準第21条の2)が、多くの学生が基準に満たない学修時間で単位を修得している現状がある(東京大学 大学経営・政策研究センター『全国大学生調査』)。これに対してキャップ制の導入には、過剰な履修登録を防ぎ、学生が一つひとつの履修科目に十分な学修時間をかけられるようにする意図がある(1998年10月26日大学審議会答申『21世紀の大学像と今後の改革方策について―競争的環境の中で個性が輝く大学―』)。ただし1単位45時間という数字については、「決して教育的な根拠から出されたものではな」く、「かつての1週間分の標準労働時間を基に算出されたもののよう」であり、「労働時間から学修時間を根拠付けることの是非を問わないとしても、この標準労働時間自体が変わっている現在、大学設置基準の根拠自体がいかがわしい」(前平泰志『京都大学大学院教育学研究科/教育学部ニューズレターNO.21「巻頭言」』)という指摘も見られる。

一般的にキャップ制を導入する場合、設置基準第27条の2第2項にある通り「大学は、その定めるところにより、所定の単位を優れた成績をもつて修得した学生については、前項に定める上限を超えて履修科目の登録を認めることができる」が、今回のキャップ制導入に際しては、この措置について検討されていないという。

なお本記事では「全学共通科目の履修にキャップ制」という言い方をしているが、本来キャップ制と言う場合、学部科目も合わせた全体の履修登録単位数の制限のことを指す。

法学部は2004年度に、学部科目の履修にキャップ制を導入している。

各学部における上限単位・コマ数 左図は各学部における上限単位・コマ数

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