教員組織の分離案が判明 部局側からは異論(2013.03.16)

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教員が各部局に本籍を置く現行の体制を改め、新たに設置するFaculty組織を本籍地とする、教員・教育組織の分離構想を進めていることが判明した。本部の企画委員会に設けられた教育研究組織改革専門委員会(以下、委員会)が中心になり、当初3月5日の部局長会議で「決定」が目指されるも部局サイドからの反対が大きく継続議論になっている。

5日の部局長会議に提出された「教育研究機能の強化を図る組織再編の基本指針素案(修正)」によると、委員会は(1)全学の教員が学部教育に柔軟に参画できる体制を構築すること、(2)教員資源を適正に配置し、各学際分野で幅広く多様な教員を確保することが可能にするという2点を再編の目的として挙げ、これを達成すためにFaculty制の導入が必要としている。

ここでいわれているFaculty制の概要は、次の通り
(1)大括りの学問分野に教員を所属させた教員組織(Faculty)を設置し、教育研究組織(School)から分離。Faculty内には大講座(Department)を設け、構成員はその教育研究分野に応じたDepartmentに属する。
(2)Facultyにおける教員人事の決定は、関係する教育研究活動組織(School)と調整、相談の上必要な教員を受け入れる。教員選考は、Departmentごとに設置された人事委員会で実質的な教員選考、その上に置かれたFaculty人事委員会で、執行部の理事等も含めた広い視野に立って系全体を見据えた最終的な審議を行い、その審議結果を教育研究評議会に報告、了承を求める。
(3)Schoolは現行の部局の壁を越えて、教育研究を進める上で必要な教員を複数の教員組織から受け入れることが可能の成るような柔軟な体制とする。当面は現行組織を基本としつつ学術分野が類似するSchoolをグループ化する。

部局の意向への「配慮」がうたわれてはいるものの、地球環境学舎・学堂を除いて殆どの部局で教員組織と教育組織が一体となっている現行の体制を、人事権にとどまらず根本から改める内容となっている。法人化以後も維持されてきたいわゆる「部局自治」「教授会自治」が大きな岐路に立たされているといえる。

この「Faculty制導入」構想も「外国人教員100人雇用計画」と同じく、一見突然浮上した動きにみえる。しかし公表されている部局長会議等の議事録を見返すと、1年以上前から動きが始まっていたことに気づかされる。

構想の初出は2011年12月6日の役員会で「10年後の京都大学の発展を支える教育研究組織改革に向けて」が決定されたことにまでさかのぼる。ここで同年9月に採択された向こう3年間(つまり14年9月まで)京都大学が重点的に取り組むべきと大学当局が判断した事項がまとめられた「機能強化プラン」の項目「時代の要請に応じた組織の見直しと新しい教育研究体制の構築」を実現するため、「組織の括りを大きくして教員人事の融通性を高めることや共通部分の合理化を図るなどして、発展的に見直しを行う」ことと、学部レベルにおいても他の部局と連携した再編を視野に入れることが決められた。

こうした組織再編構想の背景として、当局は総人件費抑制や運営費交付金の大幅削減など、国立大学が置かれている厳しい財政状況を挙げている。

翌12年2月7日部局長会議および3月13日役員会にて「10年後の京都大学の発展を支える教育研究組織改革制度」をつくることが了承・決定され、企画委員会のもとに「改革」を具体的に進めるための教育研究組織改革専門委員会(委員会)が設けられた。

その後委員会は、全学的な教育研究組織改革の方向性を取りまとめ、はやくも11月6日の部局長会議に検討の方向性を提出し、いまの「Faculty制導入」構想に至る。それと同時に、各部局から「現状・課題資料」と教育研究活動を表す客観的なデータを提出させ、10月から今年1月にかけ、「熟議」と称する直接のヒヤリングを行っていた。

この間12年6月15日に「大学改革実行プラン」が発表されたこと、それに連動するかたちで文科省から各国立大学に対し組織のミッションつまり存在意義の再定義をするよう要請があったことも、この動きを後押ししたと思われる。

なお、日本の国立大学では九州大学が2000年より、教員組織(研究院)と教育組織(学府)を分離する「学府・研究院制度」を導入している。

《本紙に図表掲載》

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