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退職金 段階的に引下げ 最大で16%超の減額

2013.01.16

昨年12月13日、京都大学教職員の退職手当が今年1月1日から段階的に引き下げられることが明らかとなった(下図参照)。なお、大学は2010年4月1日から教員の定年年齢を段階的に63歳から65歳に引き上げている。これにより定年が延長されている教員の退職手当については、旧制度の定年退職日(63歳年度末)時点での在職期間をもとに算出しているため、今回の退職手当の引き下げの影響はないという。

今回の対応は昨年11月26日、「国家公務員の退職給付の給付水準の見直し等のための国家公務員退職手当法などの一部の改正をする法律」が交付されたことによる。

同法により、今年1月1日から、官民均衡のために設けられている「調整率」を段階的に引き下げ、退職手当の支給水準を民間並に引き下げられる。国家公務員の退職手当は、月給や勤務年数等に応じて決まる基本額に「調整率」を掛ける事により支給額が設定される。また、京都大学教職員の退職手当は、一般の運営費交付金とは別途、国家公務員のそれと同等額までの全支給額が国から支給される。

大学は、独立行政法人通則法63条第3項により、教職員の給与が「社会一般の情勢に適合」しなければならないこと、同法の施行により教職員の退職手当の減額を行わないと巨額の支出が発生することなどを挙げ、今回の減額措置に踏み切ったとしている。

これに対し、職員組合は、「労働契約法第9条の一方的な労働条件の不利益変更の禁止に違反しており、その例外を定める同法第10条の例外を認める条件をみたしてもいない」、「昨年12月27日の退職手当減額の最終決定から今年1月1日の実施までしか周知期間がなく著しく問題である」として、昨年12月13日、同月17日、同月27日の計3回にわたって団体交渉を行った。これについて、大学は、「今回の対応は高度な合理性があり同法第10条の条件をみたしている」「昨年9月より部局長会議に諮るなどして、十分な周知を行っている」と主張している。

今回の退職手当減額措置について、職員組合は、今年度の定年退職が現実に生ずる3月までは引き続き団体交渉を継続する、としている。

《本紙に図表掲載》