教職員給与削減される 京大職組は反対声明を挙げて抗議(2012.10.01)

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8月1日、最大で4・35%にもなる、京大教職員の給与削減が強行された。京大職組は、今年6月から7月にかけて4度にもわたって団体交渉を開き、当局の主張する給与削減の根拠に対して反駁を行い、合理的理由なき給与削減を行わないよう京大当局に対して要求し続けてきたが、この要求を無視した一方的な決定が行われることとなった。この決定について京大職組中央執行委員会は8月1日付で声明を出し、今回の給与削減には合理的根拠・理由が無く、削減について労使間での合意がなされてないことを強調するとともに、法廷闘争をも辞さない態度で今後も団体交渉を継続し、給与削減撤回を求めていく旨を明らかにした。


この給与削減強行の発端として、遡って今年2月29日、震災復興財源捻出を理由として国家公務員に対して平均7・8%(最大10%)の給与削減を行う、「国家公務員の給与の臨時特例に関する法律」(以下、「臨時特例法」と略)が国会で成立し、この臨時特例法に準拠した形で、国立大学法人職員の給与削減を求める発言を政府閣僚が行ったことが挙げられる。

本来、国立大学法人制度のもとでは、こういった政府からの要請を法人が承諾する義務はない。しかしながら、給与削減に関する試算・検討を開始したとの報告が5月29日の教育研究協議会でなされ、京大でもいわば政府の圧力に屈する形で、給与削減が行われる可能性が濃厚となった。そのため京大職組は6月5日、団体交渉を塩田労務担当理事と行い、給与削減の見送りを求めた。しかし、同交渉の中で塩田理事は「本学においても7月1日から臨時特例法に準拠した給与削減の方向で検討を開始すること」を表明した。またその理由として、政府閣僚の発言や文科省の要請、また運営交付金削減の可能性があること、震災復興財源への協力などを挙げた。これらの当局の主張に対して職組側は、政府閣僚の発言は国立大学法人制度を軽視する越権的なものであること、文科省の要請は業務連絡程度のもので従う必要がないこと、運営交付金削減の可能性だけで給与削減を行うことは不当であること、給与削減以外の方法で京大は震災復興に協力すべきだということを主張し、給与削減に反対を表明した。議論は平行線をたどり、また削減率など具体的な給与削減の内容も示されなかったため、団体交渉は継続扱いとなった。

その後、7月10日の部局長会議において、臨時特例法の削減率を圧縮して8月から給与削減を実施する案が了承されたことを受け、職組は翌11日に第2回団体交渉を行った。この交渉の中で職組は、政府閣僚の発言や文科省の要請、また運営交付金削減の可能性を給与削減の理由とすることに合理的根拠がないことを再度強調するとともに、景気対策のために交付金補正予算で国立大学法人職員の給与を削減することを政府が検討しているという一般報道を挙げ、当局の主張する給与削減の根拠がまったく失われていると主張した。これに対して当局は、「給与削減分が震災復興財源に充てられるという前提は崩せないが、もしそれ以外の方法に使用されるのであれば許しがたい」とも述べた。この交渉でも両者は合意に至らず、交渉は継続となった。

7月24日に行われた第4回団体交渉では、職組が提示した3つの論点についての議論が行われた。まず1つ目の、給与削減分が震災復興財源に充てられるかどうか不安であるという点に関しては、前回交渉までと同様に当局は、政府の方針の変更は聞いていないのでそれに従わざるをえないと主張した。2点目の、給与削減分が震災復興に充てられなかったり、運営交付金の削減幅が予想より小さかったりした場合に教職員に還付されるのかという点に関しては、補正予算で運営交付金が削減されない場合教職員への返金も含め検討するとし、また給与削減分が震災復興に充てられなかった場合には国大協を通じて政府に抗議するが、返還については慎重に検討したいとした。3点目の、給与削減率の算出根拠については、臨時特例法での減額率を京大財源における運営費交付金依存率(42%)で除した数字、また最大削減率10%から、臨時特例法以前に定められていた人事院勧告での削減率(0・23%)を引いた数を2で除した数値に近似している数字の、4・35%を教授クラスの給与削減率とし、教職員の中間・若手層についてはモチベーション維持のため、中間層は2・5%、若手層は1%削減といった免除措置を設け、不足分については大学の他の経費で徴収するとした。職組側からは、京大は多額の剰余金を有しているので、運営交付金が削減されるとしても人件費を削減する必要がないとの主張があったが、当局は「他大学では震災復興財源のために給与削減が実施される中、京大だけ削減を行わないのでは社会的説明責任が果たせない」とし給与削減を行う姿勢を変えなかった。この交渉でも両者の間で合意は形成されず、この問題について交渉を継続していくことを両者が確認した。また職組側から「近日中に予定されている、教育研究評議会や経営評議会では、大学の良心をもって、この給与削減が承認されないことを強く望む」との発言もあった。 しかしながら、この合意や請願を無視する形で、平成24年度達示50号「国立大学法人京都大学職員の給与の臨時特例に関する規程」が7月27日に告示され、8月1日からの教職員の給与削減が断行された。なお、同日に松本総長文責で「国家公務員の給与削減への対応について」という文書が各教職員へ送付され、今回の給与削減に関する理解と協力が求められている。

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