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薬・元教授収賄疑惑 検察の立件が進む

2012.09.16

今年6月に発覚した、薬学研究科の元教授が研究費を私的流用したという疑惑について、7月以降に収賄容疑で元教授らが東京地検特捜部に逮捕、同地検による立件が進められている。

捜査によると、容疑を掛けられている元教授は、大学による物品納入に際し、医療機器販売会社に入札情報を教えるなど利益提供の便宜を図ったとされる。そうして研究費がプール(預け金)され、また同社の社長から謝礼として新幹線の回数券や商品券を研究室などでもらった他、クレジットカードが与えられ、私的旅行や食費の肩代わりなどを受けたという。

立件されるのは、容疑者がこれまで薬学研究科教授だった時に謝礼を受けた分(収賄)に関して。9月11日の追起訴までで総額943万円にのぼる。また立件されていないが、医療機器販売会社の受注総額は慶応大など他大学・研究機関を含めて総額約4億9千万円。預け金は3億円以上になったという。なお同社は昨年10月に負債約15億円を抱え民事再生法を申請して破たん。債権者の中には4大学・1研究機関が含まれている。

元教授らが逮捕された7月31日、大学当局と薬学研究科は会見を行って「社会を騒がせたこと」を謝罪するとともに、収賄事件が確かなものであるなら、辞職した元教授に対してそれ相当の処分内容を言い渡すと話した(辞職した教職員にも処分を行うことで退職金の支給をなくすことなどが可能)。また地検特捜部に資料を押さえられていて、大学当局による内部調査は難航しているとのことだった。その上、大学に残っている資料も会見当日には全く公開されなかった。