ニュース

夜空に浮かぶ半分の月 花山天体観望会「土星と月」

2012.08.01

理学研究科附属花山天文台にて7月28日に天体観望会が開催された。花山天文台では毎年数回の天体観望会が行われており、今回のテーマは「土星と月」、普段目にする機会のない月の表面や土星を観望できるこのイベントに100人以上の参加者が集まった。参加者は4つのグループに分かれ、京都学園大学教授の岩崎恭介氏から、月と土星に関するレクチャーを受けた。その後、グループ毎に、屋上に設置された小望遠鏡や、屈折望遠鏡としては国内第3位の大きさを誇る45cm屈折望遠鏡を用いて、月面を観察した。参加者達は、実際に見る機会のほとんどない月の表面に興奮の様子で、かわるがわる望遠鏡を覗き込んでいた。悪天候により、記者の同行したグループでは、今回の観望会の目玉であった土星の観察は行えなかった。しかし、そのかわりとして急遽、屋内での四次元デジタル宇宙シアターの上映が行われた。このシアターでは、太陽系の天体の映像に加え、時間の経過による天体の動きを3D映像で見ることができ、参加者も大いに楽しんだようだ。

参加者の一人は、「天気が悪くて、楽しみにしていた土星の観察ができなくて残念。だけど、月がきれいに見えたし、シアターも面白かったのでよかった」と感想を語った。

【花山天文台とは?】

花山天文台は、1929年、国内では2番目に設立された天文台で、その歴史は80年以上と長い。現在は、太陽を対象とした、観測やデータ解析、理論上の数値によるシミュレーション、といった研究を主な活動としている。また、京大の大学院生、学部生の教育実習施設としての役割や、今回のように、宇宙に対する人々の理解を深めるイベントの開催場所としての役割など、様々な役割を担っている。(待)