〈京大雑記〉たかが交番、されど交番 大学自治とは何なのか(2012.07.01)

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大学に交番ができる。そう聞いた瞬間、僕は落ち着きを失った。疑問、不安、焦り、憤り―感情が様々に入り混じり、事態を冷静に捉えることができなかった。「大学自治」という概念が心にあったからだろう。大学に交番というのはどこか違和感がある。

記者会見で同志社大の西村卓副学長は「(交番建設は)大学自治に抵触しない」と言ったそうだ。一方でこれに反対する声が上がっている。警察が学内に入ることは大学自治に反する。交番建設なんてもってのほかという声だ。

ところで「大学自治」とは何だろうか。やがてそんな疑問が生まれた。調べてみると「学問の自由」を守るための制度だそうだ。ただし明文化はされておらず、その実態は変化し続けている。警察による学問弾圧事件がこれまでに何度も起こり、その度に「大学自治」は見直されてきたようだ。こうした過去を知っていたら、大学敷地内への交番建設を簡単に決めることなんてできないはずだ。

「大学自治」とは何か。これまでどのように変化してきたか。これからはどのようにあるべきか。広く議論をして欲しい。そして明確な認識をもつべきではないだろうか。このまま議論もされず、認識が曖昧なまま時が去ってしまったら、やがて「大学自治」が廃れてしまうのではないか。

そんな危惧をしていた翌朝、衝撃の連絡が入った。事前に上京警察署へ取材を申し込んでおり、「FAXで質問を送って欲しい。検討の上で回答する」ということになっていた。ところが上京署からは、「検討の結果、質問には一切答えられない」との返答が来たのだ。理由を問えば「新聞で報道されている通りだから答える必要はない」と言う。新聞で報道されていることでも、自分の手で事実を確認して記事を書くんだという僕らの姿勢を伝えても、事実確認すらさせてもらえない。新聞で報道されていないことに関しては「(報道解禁の関係で)今はまだ答えることは出来ない」と言う。はじめに質問内容を確認した意味は何だったのか。聞かれたら困ることでもあったのだろうか。せめて、もう少しまともな理由を用意して欲しかった。

その後、室町自治連合会からも取材を断られてしまった。理由は上京署と同じ。ついに要望を提出した側の意見を聞くことがかなわず、なんともふがいない記事になってしまった。読者の皆様に十分な情報を提供できず、本当に申し訳ない。

僕はこれまで、警察にどこか無邪気な信頼を抱いていたのかもしれない。しかし、本音を語らず、建前で適当にごまかそうとする。こんな警察はもはや信頼できない。これなら本当に「大学自治」を侵害するかもしれないと身をもって痛感した気がする。(朴)

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