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太陽でも「スーパーフレア」? 柴田教授らが発見

2012.05.14

理学部研究科付属天文台の柴田一成教授らの研究グループは、惑星探査衛星ケプラーの観測データを解析することにより、これまで9例しか確認されていなかった、太陽に似た恒星での大規模な爆発現象「スーパーフレア」を360例以上発見した。これにより、これまで不可能だった統計的研究が可能となり、従来の一般的な説に誤りがある可能性が現れた。今回の研究成果は、5月16日付の「Nature」誌オンライン版に掲載された。

スーパーフレアとは、私たちの太陽で観測される太陽フレアの100~1000倍の規模をもつ、超巨大フレアだ。これまでスーパーフレアを起こす恒星は、ホットジュピターと呼ばれる、恒星に非常に近い大きなガス惑星を必ずもつと考えられていた。そのため、ホットジュピターをもっていない私たちの太陽ではスーパーフレアは起こらないというのが一般的な説だった。

しかし今回の研究で、スーパーフレアを起こした恒星のうち、ホットジュピターをもつものはごく少数だとわかった。そうなると、太陽ではスーパーフレアは起こらないとする従来の説は成り立たないことになる。これにより太陽でもスーパーフレアが起こる可能性が浮上してきた。ちなみに、もし太陽でスーパーフレアが起こった場合、地球は甚大な被害を受けることが予想されている。

柴田教授らのグループは今後、観測データの解析を続けるとともに、従来の説に変わる「スーパーフレア」が起こる条件を調べていく。(朴)

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