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交通規制計画振り出しへ 取り組み・対応に批判集中、交通事情依然深刻

2012.01.17

吉田キャンパス本部構内の交通規制に関する学生向けの説明会が12月1日に開催され、主催の環境安全保健機構は本部構内の駐輪場の新設・再配置などについて理解を求めた。しかし、機構側のこれまでの取り組みや対応で学生から批判を受け、大嶌幸一郎・同機構長は計画案に関して、今ある案を無かったものとし、資料作成から作り直し、学生・教職員など当事者と話し合って計画を立てていくことを口頭で約束した。

説明会

交通規制の説明会の様子(12月1日、本部構内総合研究3号館にて)

「構内交通安全対策の説明会」の会場となった本部構内総合研究3号館の講義室には100人を超える学生が詰めかけた。まず最初に機構側から、自転車などの入構登録制の導入、自転車の随時撤去、本部構内の駐輪場再配置・整備についての計画案(下図参照)やこの説明会までの諸経緯が説明された。

図

説明後、機構側から「まずはどうしても(数が不足している)駐輪場を増やしたい」ということで、自転車などの入構登録制については「議論見送り」となった。学生からの質疑応答は、本部構内の駐輪場再配置・整備計画案についてのみ受け付けることになった。

しかし「トップの人だけが安全を語って、一方的に交通規制できるか理解できない」「説明会開催などの周知が足りない」「この資料からだと、駐輪場の整備によって安全になるか全く読み取れない」「前回の情報公開連絡会であった学生からの意見が反映されていない」といった怒りの声があがった。その一方で、怒号飛び交う会場から引き上げる学生も多く見られた。

機構側は、駐輪場の計画案に反対する学生からの意見に対して納得のいく説明をすることができず、計画案に修正を加えていくことを提案したが、あくまでも反対する学生らは計画案そのものをなかったものとする「白紙撤回」を要求。1時間半責められた末、大嶌機構長は「白紙撤回します」と言わざるを得なくなった。

続いて、話し合いの場を今後も設け、多くの当事者と話し合いながら調査や計画を行うことを了解したが、次回以降の話し合いの日程も含め、具体的内容は決まらなかった。

なお計画案に反対した学生は、交通安全について考えること自体には反対しておらず、機構側から話し合いを持ちかければ是非とも応じるとのこと。一方、大嶌機構長は「早く学生と話すべきだった。しかし、こちらから計画案を出さないと何も洗い出すことができなかった」という。

入構許可証などによる「管理強化による交通規制」は行われない見通しになったが、今年4月には本部構内で自転車に乗った工学部生が自転車と接触事故を起こして入院した他、構内外での交通トラブルが絶えない。消防車などの緊急車両が通行できるかなどの問題を含め、構内の交通事情は依然深刻だ。