心材部分の合成酵素発見 トランス型とシス型の作り分け可能に 生存圏研の研究グループら (2007.12.16)

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梅澤俊明・生存圏研究所教授と鈴木史朗・生存基盤科学研究ユニット助教らの研究グループは、ヒノキなどの樹木の心材に蓄積するヒノキレジノールと呼ばれる物質の合成を触媒する酵素を初めて同定した、と発表した。この酵素のサブユニット組成を変えると、トランス型ヒノキレジノールとシス型ヒノキレジノールを作り分けることができる。この研究成果は米国科学誌「米国アカデミー紀要」の12月11日版に掲載された。

ヒノキレジノールは、スギやヒノキ、セコイアなどの心材に大量に蓄積するノルリグナンの一種。抗菌性のあるノルリグナンを心材に蓄積させ、自ら防腐処理をすることで、樹木は数千年の間生きると考えられている。また、ノルリグナンの成分は木材の色も決定している。

ヒノキレジノールはこれまで、分子内に幾何異性をとる二重結合を2つ持ち、Z字型のトランス型とコの字型のシス型があることが分かっていたが、そのメカニズムは不明だった。

今回の研究では、単子葉植物のアスパラガスからシス型ヒノキレジノールを生成する酵素の遺伝子を同定することに成功した。この酵素はα、βという2つのサブユニットから構成され、片方のみの場合はトランス型を、両方ある場合はシス型を作り出した。

通常、生物内ではトランス型、シス型化合物の合成はそれぞれ別々の酵素が行うが、この酵素はサブユニットの組成を変えることで合成を制御することができる。

今回の研究成果は、森林バイオマス形成を研究する過程で発見された。この作り分けが成功したことは、木材の材色の制御や病気に強い樹木の育種などの林業分野に貢献するほか、医薬品開発にも有用だと考えられる。

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