第10回地球環境フォーラム 大震災の復興を考える(2011.08.01)

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7月23日、時計台記念館国際交流ホールにて、「地球環境学と東日本大震災の復興」と銘打って、第10回京都大学地球環境フォーラムが開かれた。主催は地球環境学堂。環境学、環境工学の面から考える東日本大震災の復興プロセスがテーマで、講師は植田和弘・地球環境学堂教授、勝見武・同教授、平山修久・工学研究科特定准教授、奥村与志弘・人と防災未来センター主任研究員の4名。

植田教授は「震災復興と環境・エネルギー政策」と題して、エネルギー政策の展望を語った。同教授は、エネルギー政策から見た今回の震災の教訓と課題として、電力に依存した多消費社会の脆さを挙げた。そもそも、これまで日本では電力需要が大きくなることについて全くの無批判であり、議論の矛先は「いかにして供給電力を増やすか」という方向にしか向いていないと指摘した。

また、政府のエネルギー基本計画と、それを基にした既存の政策の前提が喪失したとも述べた。エネルギー基本計画とは、エネルギー政策基本法に則って定められ、2010年の改定ではエネルギーの安定確保と環境への配慮が基本方針とされているが、原子力発電を推進していくことが盛り込まれていた。しかし、今回の震災により福島第一原発で事故が発生し、その後各地の原発も停止する運びとなった。これにより、2030年までに原発を中心として、非化石燃料による発電を70%まで高めるという目標も見直しを迫られることになる。さらに、送電と発電の分離も含めた、電力需給調整システムの再設計も課題とした。

そして、新たなエネルギー政策の一例として、東北地域での自然エネルギーの利用を提案した。原発は何らかの事故が起こった場合、小規模であっても風評被害が大きいため、第一次産業とは相性が悪い。さらに、巨大なプラントであり地元の企業が関わることができない。一方で、4月の環境省による再生可能エネルギー導入ポテンシャルによると、東北地方は風力発電のポテンシャルが非常に高いという。

このような地域に合った発電方式と、地域ごとに電力を融通しあえるような需給システムの構築、そしてそれにより、消費者が発電方式を選択できるようにするべきだと、植田教授は述べた。

残る三氏も、それぞれ衛生工学、地盤工学、防災工学といった、専門的な観点から興味深い講演をおこなった。最後のディスカッションでは、「放射性廃棄物の処理はどうなるのか」といった、活発な議論が交わされた。

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