環境賦課金制度を導入へ エネルギー消費、ハード・ソフトで2%削減目指し(2008.02.16)

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京大は来年度より、省エネルギーおよび温室効果ガス削減を目的とした「環境賦課金制度」を創設することを1月21日、発表した。この制度により、本部・各部局から省エネルギー目的の賦課金を徴収、エネルギーの無駄の多い設備の改修に役立てるとともに、環境配慮行動への意識も高める。学内での環境配慮行動の課題と取り組みを計画する「京都大学環境計画」も同時に発表され、同計画と昨年4月にすでに定めた「京都大学省エネルギー推進方針」の具体化にむけて大きく動き出すこととなる。

環境賦課金制度は、省エネルギー対策の設備改修の資金源となるほか、賦課金徴収による省エネルギー意識の向上を目的とする。賦課金制度を含めた環境計画では、設備改修で毎年1%、環境配慮行動で毎年1%の合計2%(エネルギー消費原単位※1あたり)を削減することを目標としている。制度は5年間を目途とし、継続を検討・協議する。

財源は、全学と部局が折半して2・4億円を拠出する(図参照)。部局に対しては、前年度のエネルギー消費量に応じて算出する。それらを一旦、賦課金としてプールした後、徴収分以上の資金が省エネルギー対策目的で部局に提供される。各部局では、省エネルギー対策を独自に実行することが求められるが、特に効果の高い対策については大学執行部が重点的に推進し、その調査や検証には専門のコンサルタントに委託することもある。省エネ対策が成功した場合、削減された費用は利益となり部局に還元される。具体的に本部が主導して改修を進める設備については、「検討を進めている最中」(環境安全衛生部)だという。

環境安全衛生部では、「(環境配慮行動などの)ソフト面で削減できる部分もかなり大きい。学生のみなさんに協力してもらいたい」としている。

〈解説〉

今回の環境賦課金制度に至った背景には、京都議定書達成を目標とする国の省エネルギー法の改正がある。第一種エネルギー管理指定工場に指定されている京都大学は、省エネルギー目標達成の中長期計画の作成を求められている。京都議定書が基準年とする1990年に比べて、京都大学の二酸化炭素排出量は93%増加。桂キャンパスの整備や学生数の増加が要因とみられる。

また、京大のエネルギー費用は一年35億円で増加傾向にある。その費用が教育・研究費用を圧迫する懸念があるものの、今までの省エネルギー対策は部局が中心で、全学的なアクションが欠如していた。

※1エネルギー消費原単位
1平方メートル当たりのエネルギー消費量。実際の消費量は原単位×建物延面積。医学部附属病院の増築や稲盛財団記念館の建設などで、建物延面積は増大するため、原単位を減らすことがそのまま消費量削減につながるわけではない。

〈吉田治典・工学研究科教授の話〉

―今回の環境賦課金制度の策定にあたり、学内での合意に困難があったのではないでしょうか
学内合意に難航するかと思ったが、部局からは目に見える形で抵抗はなかった。徴収分を全学50%、部局50%にして、資金が返ってくるようにしてあるので、抵抗の理由がなかったのでないか。各紙で「京大が学内環境税を導入」と書かれたが、環境税とは少しスタンスが違う。

―設備改修で減らせる消費量にも限界があるのではないでしょうか。

こちらで用意する省エネ改修のメニューだけがすべてではない。あくまで部局がプランを作るところに意味がある。各部局では、行動とセットにして一つの省エネプランを作ってほしい。桂キャンパスなどでは、省エネ装置の電源をつけっぱなしというところもある。

―ハード面・ソフト面の目標を1%としています。この数値の根拠は。

環境賦課金の制度を作るのは大学で初めて。大きな目標はかっこいいが、失敗したときのダメージが大きい。税率を上げれば2~3%も可能だと思うが、ソフト面は計量的に出せないし、一気にやっても長く続くものにならない。

―省エネへの意識向上に向けて具体的な方策は。

部局の新入生ガイダンスで省エネアクションを紹介してもらうことを考えている。また省エネパトロール隊を組織し、各研究室を回ってアドバイスする計画を立てている。

―今回の目標は原単位ベースで論議しています。エネルギー消費総量を問題にできるのはいつごろなのでしょうか。

総量については私の話せるレベルではない。国際競争力が叫ばれるなか、大学のアクティヴィティは高まる。それと省エネルギーとの折り合いをどうつけるかだ。洞爺湖サミットで日本が批判されれば、また違った展開になる。面積はどう考えても増えていくので、まずは原単位から減らしましょう、ということ。

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