入試問題流出 予備校生を家裁送致(2011.04.01)

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入学試験中に受験生が入試問題をインターネット上に投稿した問題で、京都地検は24日、予備校生(19)を京都家庭裁判所に送致した。

京大は京都府警に被害届を提出し、3月3日に偽計業務妨害の疑いで予備校生が逮捕された。京都府警の調べで、予備校生は携帯電話を使って質問投稿サイトに入試問題を投稿したことが明らかとなっている。

予備校生は京大のほか、早稲田大学や同志社大学、立教大学でも同様の手口で試験中に問題を投稿した。京大が被害届を提出したのに続いて、早稲田大学と立教大学の2大学は警察に通報したが、単独犯であり、教育的観点から刑事罰を求めない(早稲田大学)ことから、いずれも被害届を取り下げている。同志社大学は被害届を提出していない。

広報課によると、試験時間中に問題を流出させたことが入試業務の妨害に当たるとして、大学は被害届の提出に至った。今後は学内で入試検討委員会を設置し、試験監督や会場のあり方など入試運営全般について議論する予定だという。

同学会の抗議文 淡路副学長「事実誤認だ」


カンニング事件について、学生自治団体の同学会が被害届を取り下げ、受験生を釈放するよう警察に働きかけることを要求する松本総長宛の抗議文を大学当局に提出し、3月17日に回答を受け取った。淡路教育担当副学長は、「社会的重大性を鑑み、いずれ警察も動き出すだろうとの判断のもとで警察に被害届を提出した。すると受験生によるカンニングだったことが発覚し、逮捕した、という流れが私たちの理解である」と回答、また被害届取り下げについては、「大学には彼を更生補導する義務があり、家庭裁判所による更生措置の判断を待とうと思ったため、また、私たちは事実をよく確認する必要があるとも考えているため、今のところ被害届を取り下げることや、拘留をやめるように警察に働きかけるつもりはない」と答えた。「なぜ警察に届ける前に、受験生たちに自ら名乗り出るように呼びかけるなど、大学独自の対応をしなかったのか」という同学会員の質問に対しては、「あなたたちの言っていることは結果論だ。当時は入試業務や合格発表などが目前にあり、そんなことをしている暇はなかった」と強調した。

同学会関係者は、「まだ京都大学の被害届は取り下げられておらず、しかも拘留を延長された受験生は、警察署の中で精神の限界がきていると思う。受験生が試験の中で行ったとされている行為は、カンニングペーパーを使用したのと質自体は同じ。ネットなどの目新しさによって扱いを変えていることは疑問である。また、大学独自の調査を全くしないで事件を警察に丸投げしたことは、大学自治の理念とは相反するものであり、その大学当局の態度にも私たちは疑問を持っている」とコメントした。

「同学会」とは、学部自治会の代表者らによって構成されている、全学の学部学生自治会である。

編集員の視点


被害届の提出は、「圧倒的多数の真面目な受験生」が公正に試験を受験するための措置と言える。大学には捜査権がなく、警察を介してIPアドレスの照会を行わなければ数千人という膨大な数の受験生から個人を特定することは難しい。加えて、既に合格発表を終えた3大学とは違い、京大の場合は合格発表が3月10日、国公立大学の後期試験が同12日と差し迫っていた。大学側は時間的な制約の中で受験生を特定するには被害届の提出が妥当と判断したと言える。

広報課によると、この事件の危うさは入試問題を試験時間中に流出させたことで、「誰でも見られる」点にあるという。逮捕された予備校生は、携帯電話を入力する予行練習まで事前に行っており、計画的な犯行と言える。大学側は入試制度の根幹を揺るがす問題であると考えており、今後被害届を取り下げることは考えていない。

ただ、後味の悪さも残った。学内問題に警察を介入させた措置は正しかったのか。事件の解決を目指すだけなら予備校生に自ら名乗り出るよう促し、大学内部で解決する選択肢もあったはずだ。前例のない事件とはいえ、学内問題としてではなく「犯罪」として処理した措置について議論の余地はある。松本総長は会見で「不正行為をなくすために京大として努力は必要」と述べたが、今後同様の事件が起こった場合、京大は今回同様警察を頼りにするのだろうか。(如)

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