京大当局、被告教員の主張を援用 経済・アカハラ訴訟(2011.03.16)

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経済学研究科の50代男性教員からハラスメントを受けたとして、同大学院生だった女性が、教授と京都大学に損害賠償を求めている訴訟の第3回口頭弁論が2月23日京都地裁で行われ、教員とともに被告となっている京都大学が「本件の対応は適正な手続きによってなされたもので違法性はない」旨を主張していることが明らかになった。

まず原告側が全学の調査調停委員会が認定した7つのアカハラ行為を公判における事実前提になるものだと主張していることについて、大学側は、ハラスメント専門委員会が設置した調査調停委員会は「訴訟手続きのように具体的な権利義務の存否及び内容を判断するための厳格な事実認定を前提とする調査手続きではない。もとより、同委員会を構成する委員も京都大学の教職員であり、法律問題ならびに事実認定に関する専門家ではない」として、同委員会でハラスメント行為が認定されたとしても、それは訴訟における事実認定とはならないと学内機関決定の無意味さを主張。そのうえで、京都大学としてアカハラの事実関係については「被告教員の主張を援用する」とした。なお、被告教員はアカハラの事実を否定している。

これについて、原告側代理人は「アカハラを否定する被告教員の主張を援用するということは、大学として被告教員に下した訓告処分の事実前提をも否定することになるわけで、大学として同処分を取り消すのか」とただしたが、大学側代理人は「この場で答えることではない」と述べるに留まった。

また大学側は、経済学研究科が研究科長名で調査・調停委員会で成立した調停内容ないし調査・調停委員会の提示する対応案に従うことを確約したにもかかわらず、実際には2つの行為のみをアカハラだったとし、「懲戒処分が相当」とした対応案より軽い訓告処分を下すにとどまったことについて「懲戒の手続きを開始することを確約したまでで、その内容までも拘束されるものではない」、「部局自治の観点からも全学の機関の決定が部局の機関を拘束するべきではない」とした。

原告と被告の主張が真っ向から衝突しているだけでなく、学内のハラスメント対応体制そのものの効力が争点となっており、今後、公判が長期化することも予想される。

原告女性は08年2月、全学ハラスメント相談窓口へ教員を被申立人として調査・調停手続を申し立て、経済学研究科長が調査・調停委員会で成立した調停内容ないし調査・調停委員会の提示する対応案に従うことを確約したので、人権委員会ハラスメント専門委員会で調査・調停委員会の設置が決定。同委員会は09年9月10日、教授による7つの行為をハラスメントと認定し「経済学研究科においては懲戒の手続きを開始するのが相当である」との対応案をまとめた。

しかし経済学研究科は10年3月、全学の調査・調停委員会が認定した7つの行為のうち2つのみをハラスメントだったとして、教授の処分をより軽い訓告にとどめた。

原告女性は、「経済学研究科の対応は全学の調査調停における事実認定を覆し教員をかばうもので、ハラスメント防止・対策の組織のあり方についてその期待を著しく裏切られた。長期に渡って被害救済が行われず、そのことによって著しい精神的苦痛がもたらされた」として、同年7月14日付けで京都地裁に提訴した。

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