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入試問題をネット投稿 偽計業務妨害容疑で予備校生逮捕

2011.04.06

2月25日から27日にかけて行われた京大入試の二次試験中に、入試問題の一部がインターネット掲示板「Yahoo!知恵袋」に投稿されていたことが、学内外からの多数の指摘で発覚した。投稿されていたのは25日に実施された「文系数学」の6問と「英語」の英訳問題2問で、いずれの問題にも回答を求める書き込みが添えられていた。26日午前11時30分頃、学内関係者を名乗る人物からの通報があり、京大が当該の投稿を確認した。その後の調査で同志社大学・立教大学・早稲田大学の入試問題についても、同一の投稿者IDにより試験時間中に投稿されていたことが明らかとなった。27日夜に行われた記者会見で、京大の塩田浩平理事(総務・人事担当)は「このような事態は厳正かつ公正なるべき我が国の入試制度の根幹を揺るがす重大事件」とした上で、「犯罪行為を行った者に対し強い憤りを感じ、受験生に不安を与えることになったことは誠に遺憾」と述べ、警察に被害届を提出する方針を発表。同様の被害にあった他大学とも、必要な協力をとっていく考えを示した。そして翌28日に京都府警に相談し、捜査が開始された。

その後の捜査で、投稿に使われたとみられるNTTドコモの携帯電話の契約者を特定。3月3日午前11時50分、投稿に関わった疑いがあるとみて、携帯電話の使用者である仙台市内の予備校生を逮捕した。警察の調べに対し、この予備校生は容疑を認めているという。同日午後、松本総長への質問の場が設けられた。総長は「本学受験生の不正行為が事実であれば誠に残念。自らの行為を深く反省し、更正していただきたい」とコメントした。投稿に寄せられた回答と一致する答案がなかったかなどの質問に対しては明言せず、「受験生に不安を与えないよう、3月10日までは粛々と入試業務を行っている」と述べるにとどまった。

なお当編集部では、2月26日正午過ぎに広報課より正式に受領した入試問題から問題文の出典を検索していたところ、当該の質問サイトを発見。質問内容が試験問題の答えを求めるものであり、また試験時間中に投稿されていたことから、事件性のあるものと考え、同日午後12時19分にツイッター上で指摘した。

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