〈寄稿〉第11次笑の内閣総裁 高間響 のるてちゃんは何を語る?(2011.01.16)

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はいどうも、私京都で笑の内閣という劇団の主宰をしている高間といいます。このたび1月15、16日に、新町高辻にある劇場アートコミュニティースペースKAIKAという劇場で、「非実在少女のるてちゃん」というお芝居をするんですが、その件で京大新聞さんから寄稿文をお願いされまして、書かせていただきます。

このお芝居は、ご存知の方もいるかもしれませんが、「東京都の青少年健全育成条例改正案」の問題点を扱ったお芝居でして、今「漫画アニメを規制する」って問題になってる案です。この条文を正確に書くとそれだけで文字オーバーになってしまうので、もの凄くざっくり言うと、「漫画やアニメの中で酷いエロ描写があるもんは18歳未満が買えないようにしろ」て中身なんですな。

まあ、これだけ書くと一見良い事に見えるわけですけれども、まあ皆さんももう大人ですから、じゃあなんでエロ漫画を書いてないような漫画家の先生や、弁護士さんや大学教授、そして演劇が対象になるわけでもないのに私が反対してるのかということを考えていただければと思います。

で、これを説明するだけでもまたしても文字数オーバーになってしまうのですが、またまたもの凄くざっくり簡単に言えば、まずは基準が曖昧過ぎるという点につきます。エロすぎる表現が駄目ってもどこまでがエロすぎるかというのは判断する人によって違うわけです。なんで、どこまでがOKでどこまでがアウトかさっぱりわからん。次に、エロ漫画が青少年に悪影響をもたらしているという科学的根拠が全くない。それどころか、規制が厳しい国の方が性犯罪が多いということ。そして、いくら売り場分けだ表現規制ではないといっても、本屋さんの面積はそんなに大きくないので、エロ指定されると実質流通しなくなるという点があります。

もちろん、多くの人が見て不快と思う表現があるのはわかりますわ、しかしそれを行政が規制する事を容認してしまうと、いざ自分の作品が言われた時に文句を言えないわけです。その時、明確な基準と科学的根拠があればまだ仕方ないと思うけれども、そんなのもなしで言われちゃたまったもんじゃないわけですわな。まあ、これでも全然説明し足りないのですが、詳しくは芝居見に来てください。

で、この「のるてちゃん」はこの問題点を書いた真面目なお話、というわけでなくコメディです。私はコメディ作家なので、いくら自分が問題だと思ってるテーマでも笑えなければ書きません。そのうえで、この問題は非常に楽だった。なぜかというと正直、規制派の方々の発言というのは、もう私が脚色無しにそのまま載せただけで笑える、いかれたことばかり言ってるからです。「ジャニーズは児童ポルノ」とか「絵にも人権がある」とか真剣に言ってる人がいるというのは、ものすごいギャグなわけです。そもそもタイトルにある「非実在」という単語は、最新の条例案からは削除されてますけど「非実在青少年」という単語から取ったのです。18歳未満の漫画やゲームのキャラをさして、そういうらしいです

が、こんなマヌケで笑える単語を役人が必死こいて考えたかと思うと面白くてたまりません。

が、笑ってる場合じゃなく、この条例案12月に通ってしまったんですね。が、全然知られてない。これは「表現の自由が奪われた」という点でかなり危機だと思ってます。

と、いうことで「ネタにちょうどいい」と「啓蒙」という両面の効果を持った「のるてちゃん」という作品は、9月に京大の吉田寮で初演して、条例が審議されてる東京でもって声がかかったんで、12月に東京でやって(しかも第1候補の劇場に「反社会的」と上演拒否にあうという事件もあって、ネット上で大騒動になったり)、反対派の現職都議が出演したり、公演後に賛成派ゲストと対決したりと、色々やってウィキペディアにまで載るという快挙をしております。

そんな作品のフィナーレとして、15、16日と地元京都で再演するわけです。まあ、みなさんがこの記事を受け取るのは、その直前というか、センター試験うけたその足で行くのかというとほんまかいなって話なんですが、漫画好きだけに関わる問題ではありません。なにより笑えます。ぜひぜひ、見に来ていただければと思ってますんでよろしくです。

(たかま・ひびき)

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