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政策コンテスト、厳しい結果 来年度予算に大きく影響か

2010.12.24

政府の行政刷新会議は来年度予算の「元気な日本復活特別枠」に各府省からエントリーされた事業について評価結果を12月3日に公表。大学関連事業にはいずれも厳しい判定が下された。

来年度予算について政府は7月27日の閣議決定で「元気な日本復活特別枠」以外の歳出を一律で一割削減する方針を決定しており、運営費交付金など大学関連予算も大幅に削減される可能性がある。文科省では通常の概算要求を大幅に削減するいっぽう(560億円、前年比マイナス4・8%)、「政策コンテスト」のよって予算の有無が決められる特別枠への要望で補う方針だった。

9月27日から10月2日に募集されたパブリックコメンントでは、事前に「世論」を事業審査の重要な要素と位置づけるとされたため京大を含む全国の国立大学が意見の提出呼び掛けを行ったこともあり、それぞれの事業に数万件単位で事業の必要性を訴えるコメントが寄せられていた。

しかし公表された「評価」では大学関連事業について一定の必要性を認めつつも特別枠での要望として不適当であり、他の歳出削減によって捻出すべきものとされ、全てB~C判定となる厳しい状況が生じている。

来年度予算は24日に原案が閣議決定される予定だが、削減の恐れが高まる中で特別枠の「成長を牽引する若手研究人材の総合育成・支援イニシアチブ」の一部として要求されている日本学術振興会の特別研究員事業ポスドク枠(学振PD)の来年度分が現時点ですべて未定となっているなど影響が出ている。

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▼安全で質の高い学校施設の整備:(1898億1300万円:総意見提出数3万2389件:判定B)

 整備する施設の優先順位付けを行った上で、緊急性の高い者に限定することが条件。

▼学習者の視点に立った総合的な学び支援及び「新しい公共」の担い手育成プログラム:(1331億2900万円:総意見提出数5万5033件:判定C)

 既存受給者への貸与に必要な分は措置する必要。ただし、これを措置するには、要求・要望の削減に寄る財源捻出が条件。

▼「強い人材」育成のための大学機能強化イニシアチブ:(1199億7100万円:総意見提出数7万1747件:判定B)

 教育・研究の基盤経費に一定の配慮が必要。ただし、その経費を相当に絞り込むとともに、要求・要望の削減に寄る財源捻出が条件

▼成長を牽引する若手研究人材の総合育成・支援イニシアチブ:(484億円:総意見提出数3万9460件:判定C)

 継続課題、既存受給者には一定の配慮が必要。ただし、要求・要望の削減による財源捻出が条件。