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文学部生を放学処分 6月に強制わいせつ容疑で逮捕

2010.11.22

京大は11月9日に記者会見を行い、文学部2回生(20歳)を京都大学通則第32条に定める「学生の本分を守らない者」として、同日付けで放学(退学)処分とすることを発表した。

今年6月23日、京都市上京区の路上で大学院生の女性(当時22歳)に抱きつき、上半身を触ったなどとして、翌24日に強制わいせつの容疑で逮捕された。その後、女性との間に示談が成立し、告訴が取り下げられたため、文学部2回生の不起訴処分が確定していた。

逮捕後、大学は4回にわたって事情を聞くなどし、審議を行ってきたが、反省の態度が不十分であると判断し、今回の放学処分に踏み切ったとしている。会見で赤松明彦副学長(学生担当)は、「女性の人権を踏みにじった卑劣な行為であり、被害者と家族に心よりお詫び申し上げる」と謝罪した上で、「事態を深刻に受け止め、人権教育などを徹底していきたい」と話した。

京大では学生への処分として、重いものから順に放学、停学、譴責を設けている。処分がなされる場合、学生が所属する部局で調査委員会が設置され、調査担当教員及び弁護士が事情聴取を行う。その後、教授会レベルで処分案が検討され、慣行的に学生部委員会に付議される。ここでの議論をもとに、全学規模の補導会議が開かれて処分内容が再度検討され、最終的には総長を議長とする学生懲戒委員会が処分の決議を行う。今回もこの手続きがとられた。京大では学生によるわいせつ事件が近年相次いでおり、準強制わいせつ容疑で逮捕された工学部1回生が今年3月に、また迷惑防止条例違反容疑で逮捕・起訴された法学部9回生が今年8月にそれぞれ放学処分を下されている。