後期授業期間前倒し 全学共通科目と一部学部で実施(2010.10.01)

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今年から、一部の部局で後期の開講期間が従来の10月1日ではなく、9月27日からと前倒しになっている。今大学で何が起こっているのだろうか。(如)

京都大学新聞の調べによると、今年から後期の開講期間を10月1日よりも以前に前倒しにした、もしくは「補講」として授業を行なったのは、全学共通科目、農学部、法学部、文学部である。

全学共通科目を統括する高等教育研究開発推進機構によると、大学設置基準では科目2単位当たりの授業時間は試験時間を除いて30時間が相当であるとする旨が明記されている(実際には、講義1コマ当たり90分だが「2時間」として扱う)。従来、京大では一期当たり授業時間13コマに加えて試験が行われていたが、同基準を満たしてはいなかった。

そうした弾力的な制度の運用を「改善」するよう大学に迫ったのが2008年に出た中央教育審議会答申「学士課程教育の構築に向けて」だった。「グローバルな知識基盤社会において学士課程の果たす役割」をまとめたこの答申では「単位の実質化」が課題の一つとされ、その一環として授業時間数の厳格な確保が求められる、ということも明記されたのだ。

このような流れの中で文部科学省からの指摘も強まり、京大でも昨秋に行われた教育制度委員会で授業時間数の確保が議題とされた。しかしその際には全学の合意がまとまらず、今年度については各部局の判断で授業時間数の確保に努める、ということで落ち着いたのだ。

その結果部局によって授業の開始にばらつきが出たので全学で統一した日程にしようと、来年度は暫定的に14回分の確保を目指すことにし、12月27日まで授業を実施する代わりに後期の開始は10月1日からで統一すると、同委員会での審議を経て9月14日の研究科長部会で決定した。しかし再来年度以降は15回の確保に務める方針で、授業期間が長くなることは必至である。

(全学共通科目)

今年の全学共通科目のシラバスを見てみると、「後期補講期間」として開講されている9月27日から30日までのコマを合算した場合、授業時間として14週が設定されているのに加え、授業と試験いずれかに相当する「授業試験期間」を別に設けることで15コマが確保できるようだ。その一方で、年末年始は12月27日から1月4日まで(実際には祝祭日と休業日を入れると12月23日から1月5日まで)と長く設定されており、比較的ゆとりがあるスケジュールと言える。だが実際には後期補講期間を活用している講義の数は40程度と全体の一部に過ぎないようだ。

(農学部)

農学部では、全学共通科目が9月下旬から後期を開始するとの動向に合わせて昨年12月の学部教授委員会で施行すべきとの提案が行われ、その後学科長会議での承認を経て授業開始日を繰り上げる旨がシラバスに明記された。来年度以降の開講期間については現時点では決まっていない。

これに対し、農学部自治会では、学部に対し説明を求める旨の立て看板を設置した。

(法学部)

法学部でも同様の理由で、9月下旬から後期を開講する運びとなった。法学部固有の理由として、法科大学院が厳格な第三者機関の認証評価にさらされていることが挙げられる。認証評価では2008年に神奈川大学法科大学院が不適合の判定を受けたさい、授業を半期13回しか開講していないことが理由の一つとしてあげられるなど、授業回数の確保をはじめ厳格な単位認定が求められている。このことから法科大学院の教員のあいだでは授業時間数の確保を求める声が強いという。

しかし教務を通した簡単な連絡しか学生にはなかったので、法学部自治会では後期開始日の9月27日にビラ撒きを行い、学部に対して説明を要求した。

(文学部)

文学部に関しては、後期は10月1日からだが、9月27日から30日までが後期と通年科目の補講期間となっている。

(補足)大学設置基準によると、「単位制度の国際的な通用性の観点から,学習時間の実態を国際的に遜色ない水準にすることを目指して,総合的な取組を進める必要がある。その前提として,1単位当たりの授業時間数が,大学設置基準の規定に沿っている必要がある。具体的には,講義や実習等の授業の方法に応じて15~45時間とされており,講義であれば1単位当たり最低でも15時間の確保が必要とされる。これには定期試験の期間を含めてはならない」。また、「授業を半期13回で構成されている点は、大学設置基準の定めに照らし不適切であり、単位制の趣旨に沿った適切な授業回数を確保しなければならない。(中略)したがって、本協会の法科大学院基準に適合していると判定するためには、上記の点の抜本的な改善を行わなければならない」。

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