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医療用具会社の元社員に暴言 パワハラ賠償判決

2010.10.04

再生医科学研究所の准教授が実質的に経営する医療用具製造販売会社でパワハラを受けたとして、元社員の男性が損害賠償を求め京都地裁に起こしていた民事訴訟の判決が9月15日にあり、パワハラの事実を一部認め准教授らに80万円の賠償が命ぜられた。

判決文によると原告の男性は06年経理部長として入社したが、06年7月「適性に欠ける」と新設された調査役ポストに移動となった。これに不満を感じた原告は07年2月ユニオンに加入したところ、准教授から「なんで組合に入ったんや」などと非難され、07年6月それまで外注だった重金属測定試験業務に従事する配置転換命令、10月には調査役を外し一般職に降格する通知を受けた。この間原告は京都府労働委員会に不当労働行為の救済申し立てをするなど対抗したが、准教授からは「給料もろうてまともに仕事せんやつ」「(会社を)辞めたらええねん」「ぼけが。ほんまあきれんで」といった暴言を受けたという。

その後府労委は09年4月に配置転換命令の撤回を命じたことから、同命令は撤回されたが実質的な業務の回復はないまま7月に男性は定年となった。

判決で地裁側は准教授の暴言について「原告を侮辱するもので違法な行為」、配置転換命令についても「原告が被告らと考えが合わなかったことに端を発するもので(…)合理性があったとは言えず違法」とした。

また原告は再生医科学研に07年12月准教授のハラスメント救済願いを出し、大学は「学外の問題である」と処分はしなかったのだが、准教授はこれを「原告が被告の地位名誉を低下させ、精神的苦痛を与えた」とし原告に損害賠償を求める反訴を起こしていた。結局この日の判決でこの請求は棄却された。