国立大学交付金大幅削減か 国大協ら緊急声明を発表(2010.08.01)

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国立大学法人への運営費交付金が、来年度以降大幅に削減される可能性が出てきた。京都大学を含む全国86国立大学法人の運営基盤に関わる事柄で、国立大学協会をはじめとする諸団体や各国立大が緊急声明などを相次いで発表している。

きっかけは、政府が6月22日に財政運営戦略の一環として「中期財政フレーム」を閣議決定した時点までさかのぼる。同フレームでは、基礎的財政支出対象経費(公債の償還を除いた国の財政支出)について2011年度から13年度までの3年間、前年度を上回らない方針が示されたが、同時に社会保障支出の自然増加分は認めるとしたため、その他の一般歳出を毎年8%ずつ削減していかなければならなくなった。これに伴い、国立大学法人への運営費交付金(10年度:1兆1585億円)が大幅に削減される可能性が出てきた。

文部科学省の試算によれば、8%という数字を国立大学法人への運営費交付金に機械的に当てはめると、来年度予算では927億円もの大幅削減となり、04年度の法人化以来7年間の削減総額830億円をも上回る。同省では、削減額を授業料の値上げで補う場合は学生一人当たり23万円の値上げとなり、教育研究費の削減で補う場合は大阪大・九州大の2大学を消滅させるか、小規模大学27校を廃止することになるとし、大学の教育研究活動に深刻な影響が出ることから、削減対象から外すよう求める方針を示している。

しかし7月27日付で政府が閣議決定した来年度予算の概算要求基準(シーリング)では、8%どころか各省に対して予算の一律1割削減を要請することが明記された。文科省は翌28日に改めて「運営費交付金は一律1割削減に縛られるものではない」との考えを示したが、予断を許さない状況が続いている。国立大学法人財務センターでは7月29日付で「国立大学法人の運営経費は教職員の人件費の占める割合が多いため教育研究経費へのダメージは数字以上に深刻なものになる」と分析を発表している。

この事態に対して、国立大学協会と日本私立大学連合会は7月14日付けで、国立大への交付金および私立大学への補助を削減対象から外すよう求める共同声明を発表した。国立大学法人32大学理学部長会議も7月10日付で緊急声明を発表しているほか、全国の国立大学が声明を発表している。

京大では7月31日時点で大学としての公式声明は発表していないが、西村周三副学長は7月22日の情報公開連絡会で「京都大学は年間で580億円の運営費交付金を交付されておりその8%、48億円の削減となれば文系の4学部(法・経済・文・教育)が消滅する規模。大学の運営が立ち行かなくなってしまう」と語った。松本紘総長も7月27日の報道向け懇談会で「高等教育は国のライフラインであって、大学の運営費交付金を削減の対象にしてはならない」と発言している。

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