確約引き継ぎついに決着 吉田寮団体交渉(2010.08.01)

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7月23日、吉田寮自治会と京都大学の確約引継ぎ団体交渉が文学部新館第3講義室で開催され、寮生ら80名近くの学生が参加した。西村周三副学長が確約書にサインし確約が結ばれ、1年半以上におよんだ確約引継ぎの交渉はようやく完了した。(魚)

08年10月に西村周三・経済学研究科教授(当時)が副学長に就任して以来、吉田寮自治会は確約の引き継ぎを要求していたが、西村副学長は確約の文言についての解釈の違いなどを理由にサインを拒んでいた。

大学側は09年4月に「吉田南構内最南部再整備方針(案)」を発表。案中の吉田寮新A棟をめぐる交渉が大学―吉田寮自治会間で同時進行するなか、同年10月9日に両者は「大学当局は吉田寮の運営について一方的な決定を行わず、吉田寮自治会と話し合い、合意の上決定する。また、吉田寮が団体交渉を希望した場合はそれに応じる」という項目1・2について合意した。

西村副学長側はこの日まで「やはり京大全体のことに責任を持って考える部署として、(大学当局の側が)最終的に決定権を持っていたという形ではないと困る」と合意を拒否していたが、寮自治会は「建て替え問題が浮上している今、この条項が無ければ大学当局が寮自治会の意に沿わなくとも新寮建設を強行する可能性があると考え、確約が締結されるまでは新A棟についての具体的な交渉は進められない」としていた。10月8日の団体交渉で、両者の交渉は夜を徹して長引き「吉田寮自治会と副学長西村周三は新寮・新規寮の建設と現吉田寮の老朽化対策について誠意を持って合意を形成する努力を行う」との条項を追加することで合意した。翌朝8時40分まで、実に14時間半に及ぶ団体交渉だった。

その後も話し合いは継続され、入退寮選考権の項目についても、当局側は当初「決定権は大学側にある」「外部に対する説明責任が大学にはある」と否定的だったが、寮自治会側が「再入寮選考制度など新規入寮希望者が不利にならないシステムが既に整備されていることや、運営は実際に寮自治会によって問題なく行われており、また寮自治会による選考の方が柔軟な対応ができる」と論駁した結果、今年5月13日の団体交渉で「現行の方式を維持する」という文言で合意に至った。

しかし当局側は情報公開や学生センターについての項目8・9について、文言の対象が「学生など当事者」となっており、あまりにも範囲が広く、吉田寮自治会と結ぶ確約にこのような項目があるのは不適当であるとして一歩も引かない姿勢を見せた。

寮自治会側は7月16日の団体交渉で「吉田寮は学生など様々な当事者の自主管理空間であり、京大における学生など当事者の自治自主管理を守り発展させる立場から、あらゆる当事者に対する情報公開や話し合いに応じる必要性を歴代の学生部長・副学長との確約で確認してきた」「同様の趣旨の確認・確約は97年の井村総長団交や03年の長尾総長団交の際にも全学に向けなされており、これら総長団交に参加した当事者としてこれらの項目を引き継ぐ必要がある」と主張し、大学側の認識不足を批判した。

この結果、7月23日の団体交渉では注釈を入れることで双方が合意し、西村副学長の就任から1年半以上を経て確約は引き継がれた。サインの直後、西村副学長は本紙に対し「ほんま疲れています。コメントする頭が働きません」とお疲れの様子。いっぽう吉田寮自治会執行委員会は、引き継ぎ完了について「団交が完了したのは喜ばしいが、当局のかたくなな態度により1年半も続いたことは問題である」とコメントしている。

京都大学の4学寮(吉田・熊野・女子・室町)は、寮生で構成される自治会が入退寮選考を含む寮の運営を担っている。このうち吉田寮・熊野寮は大学当局との間で寮自治会の権限を保障する確約を結んでいる。大学側は教育・学生担当の副学長が責任者となっているので、寮自治会は副学長が交代するごとに団体交渉し、大学側との確約の引き継ぎを行なっている。

今回の確約引き継ぎ交渉で最後まで議論対象となった項目8・9の合意内容は以下のとおり。

8:(情報公開について)

8―1:(公開する情報について)

学生など当事者に関わることについては、可能な限り早く学生など当事者に周知する。
大学組織やキャンパスの改組・再編については、学生など当事者の要求に沿って副学長が役員会・教育研究評議会・経営協議会・部局長会議・各種委員会をはじめとする各種会議の内容も含めて知りうる情報について決定以前に情報を公開する。新寮・新規寮の建設及び現在の寮に関しては、何らかの案が出た時点で公開する。

8―2:(情報公開の手段について)

副学長が参加し、情報公開を行う連絡会を公開の場で開く。また、この連絡会に限らず、様々な場・手段を用いて情報の公開に努める。情報公開において、意図的に情報を隠すことはしない。

9:(副学長・学生課及び学生センターについて)

学生などに関わることについては学生など当事者と話し合うことなく一方的な決定を下さない。学生など当事者からの要求があれば、団体交渉などを行う。なお、話し合い・団体交渉は公開の場で行い、一方的な条件をつけない。

学生などに関わることについては、学生課及び学生センターは学生など当事者の要求に対し責任ある交渉窓口として誠実な対応を行う。また、学生課・学生センターは学生など当事者が学内の各部局と交渉に当たる際、学生らの求めに応じて適切な仲介を行う。副学長は厚生補導担当の責任者としてこれらのことが行われるよう努力する。

(注)第8、9項は全学の学生など当事者に対して宣言すべき内容であり、吉田寮自治会とだけ確約すべきものではないが、歴史的経緯を踏まえここに確約する。

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