唐古の「炭化米」は化石化していた X線CTで判明(2010.08.01)

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総合博物館は、現在公開中の企画展「科学技術Xの謎―天文・医療・文化財、あらゆるものの姿をあらわすX線にせまる―」で、弥生時代の竪穴から出土した「稲穂のかたまり」とその内部をX線CTで撮影した画像を7月7日から公開している。

「稲穂のかたまり」は、1937年に京都帝国大学・考古学研究室員であった末永雅雄らによって唐古遺跡(奈良県田原本町)で見つけられ、文学部陳列館や総合博物館で保存されてきた。放射性炭素の測定から2500年前(弥生時代・前期末)のものとされている。

今回、総合博物館企画展の一環として、㈱島津製作所の協力のもと「稲穂のかたまり」を高性能X線CTで撮影。このCTはサンプルの内部を非破壊かつ3次元で自由に撮影することができ、外観カメラによってCTスキャンの位置を自動的に決めてくれるなどの機能がついている。

撮影の結果、「稲穂のかたまり」は焼かれたり腐敗したりしないで炭化している、つまり「化石化」していることが判明した。従来この米は「炭化米」と呼ばれ、仮説では熱で穂が溶けた後にくっついて固まったものであるとされてきた。

しかし今回、この仮説は必ずしも正しくないということが分かった。現在、米が「化石化」した原因は究明中であるが、大野照文・総合博物館長は「稲穂のかたまり」がある特殊な環境に置かれていたためではないかと推測している。

またこの「化石化」された米は焼かれていないため、X線CTを使って当時の米の内部をよく観察することができる。「ふ毛」や「穂軸」、「護穎(ごえい)」などが見られ、現在の米の品種と異なっていることも分かっている。このことから日本にどのようにして米が伝わってきたのか分かるかも知れない。現在、佐藤洋一郎・総合地球環境学研究所教授らによって植物遺伝の解析も漸次進められている。

総合博物館ではこの他、同じ竪穴から出土した石包丁を展示しており、この企画展が終わる8月29日まで一連の史料を見ることができる。

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